■餅つき相場とは何か?
餅つき相場とは、「餅」という言葉が入っていることからも連想出来るように、年末年始の相場のことを指します。
また、例年この時期は色々な銘柄で資金が循環しやすく、株価が上下しやすいため、餅つきの杵(きね)を比喩して餅つき相場、という名がついています。
年末12月には個人投資家の節税対策のための売りや、年末休みの前の手じまい売りが見られるために株安となりやすく、そして年明けの1月はご祝儀や期待の買いが入ることが多い、ということがよく言われます。
これは100%当たるとは言えない、いわゆるアノマリーですが、実際に年末相場、年始相場というのはひとつの節目ということもあってトレンド転換のポイントとなることがあります。
季節性という視点から見ると、冬から春にかけては地合いがよくなるケースが多く、逆に夏から秋はやや閑散とした地合いになりやすい、という傾向が多いです。
■餅つき相場を意識したトレードは上手くいくとは限らない
「株価が乱高下し、12月に下がって1月に上がることが多いのなら、年末下がったところで買えばいいのでは?」という考えを持つ方もいるかもしれませんが、実際はそう上手くいくとは限りません。
全く同じ相場が再びやってくる、というケースはないため、アノマリーを意識したトレードを行うにしても、投資プランというのは重要です。
それまでがどういうトレンドか、どういった流れで年末・年始相場を迎えているか、というのも大事な条件となってくるでしょう。
次の項目ではもう少し視野を広げ、地合いを意識したトレードについて考えていきます。
■どんな相場でも「地合いを意識したトレード」が大事
餅つき相場においてだけではなく、株式投資を行ううえで重要な考えのひとつが「地合いを意識する」ということです。
好地合いのときは資金が流入しやすく、いわゆる仕手株も数日間にわたって株価形成をすることが多いのに対し、地合いが悪いときはテーマ性のある銘柄であっても一日で相場が終わってしまう、というケースがあります。
「地合いの良し悪し」というのは、特に値動きが軽い新興市場銘柄で意識したいことです。
実態に基づくというよりは、マネーゲーム的な様相をともなって株価が作られることの多い新興銘柄では、損切りが遅れると大きな痛手となることも多々。
そのため相場環境を精密に認識しておくことが、そのまま投資成績にも繋がるといって良いでしょう。
地合いをどう感じ取ればよいか、ということは、市場全体の売買代金の多さやランキングに乗っている銘柄を判断材料のひとつとして考えることが出来ます。
市場全体の売買代金が他の期間に比べて細っている場合は、当然入ってくる資金も少なく、限られているということですから、地合いが良くない閑散期と言えるでしょう。
また、値上がりランキングをチェックして、「チャートの綺麗な銘柄がランクインしているか」ということも重要なポイントです。
綺麗な上昇トレンドを描いている銘柄がランクインしていると好地合いであるケースが多く、逆に急に大陽線を立てるような銘柄や、低位株、低時価総額株が多くランクインしすぎているとやや地合いが心配になるところです。
(当然値上がりしている銘柄が極端に少ない、というケースよりはいいのですが)前者の「綺麗な上昇トレンド」は、安定してその銘柄に資金が入ってきていることを示しますが、後者の場合は突発的な投機資金のみしかないのだな、ということを感じ取れますよね。
餅つき相場における例で言えば、1月に好地合いと感じられれば、スイングを狙ってトレードを行おう、といった考えを持てるわけです。
投資判断をどのようにして行うか、というのは人や手法によって異なりますが、地合いの意識はその一助となるのではないでしょうか。