株式投資において、法則めいた事象のひとつとして挙げられるのが「曜日効果」。
今回はこの曜日効果について詳しく見ていくことにしましょう。
■曜日効果とはなにか?
「曜日効果」とは、簡単に言えば、「曜日ごとの株式市場の傾向」のことです。
それぞれの曜日ごとに株が買われやすかったり、買われにくかったりする傾向があることから出てきた考え方です。
勿論〇曜日は必ず売られてマイナス、ということがあるわけではありませんが、統計上や経験のもとにそういったアノマリーが生まれています。
また、ニュースの特性として、「株安を引き起こしやすい大ニュースは週末に報じられやすい」というものがあります。
場中や週半ばに発表された場合、株価の乱高下を引き起こす可能性があるのに対し、週末マーケットが引けたあとに発表されれば、休日を挟んで市場がそのニュースを冷静に捉えられるためです。
これは株式市場におけるサーキットブレーカーと同様で、大きな売りが更なるパニック売りを引き起こすのを防ぐ仕組みであると言えるでしょう。
週末にそのようなニュースが報じられれば、当然翌週の月曜日は株が安く始まることが考えられます。
実際に統計上のデータでも月曜日は株安になる傾向が強い、という数値が出ており、それを一概に投資判断とすることは出来ませんが、そういうデータもあるのだな、と頭に置いておくとよいでしょう。
■それぞれの曜日の習性について考える
この項目ではそれぞれの曜日の性質について考えていきます。
まず、「曜日効果」における、各曜日の特徴を見ていきましょう。
●月曜日・・・株安
●火曜日・・・月曜の株安を引きずる
●水曜日・・・下落から反発し、株高
●木曜日・・・反発が続き株高
●金曜日・・・手じまい売りから株安
金曜日の後場や祝日・連休前の後場は株が売られやすい、という傾向があります。
休み中にネガティブなニュースが出て、翌週安く始まってしまうことを避けるため、というのが理由の一つでしょう。
また、毎月第二金曜日にあるSQの前の水曜日は株価が弱くなりやすい、という意味の「魔の水曜日」という言葉もあります。
水曜日だから軟調な動きになりやすい、と言うよりはSQ週だから株価が荒れやすい、というイメージが合っているのではないでしょうか。
■実際に効果があるかどうかは市場や銘柄によって異なる
実際に曜日効果が株価に表れるかどうかは指数や銘柄によって異なります。
全世界にショックを引き起こすような事件やニュースが発生し、ほぼ全ての銘柄がパニック売りになる状態を除き、投資資金、投機資金というのは必ずどこかに流入するためです。
ある銘柄が売られれば、それを売った資金で他の銘柄を買う、というようなケースがあるということですね。
日本のマーケットで言えば、マクロな事件やニュースに影響されやすい日経平均株価やTOPIXは曜日効果の影響を受けることが多そうです。
しかしマザーズやJASDAQといった新興市場はそういった銘柄に比べマクロな事件やニュースの影響が少ない場合があります。
そういった例外もありますので、やはり曜日効果を過信する、ということはしない方がよいと言えるでしょう。
各市場や銘柄の特徴をざっくりと押さえておくと、どういった時にどの銘柄が上がりやすいか・下がりやすいかということを掴めるかもしれません。
■曜日効果から学べることは?
曜日効果から学べる一つとしては、「統計上の優位性は大事」ということが挙げられます。
曜日効果に限らず言えることですが、「こうなると株は高くなるんじゃないか」ということを考える方は多くいるのではないでしょうか?
そういった気づきを言語化・具体化し、本当にそうなのか反復して確認してみる。そうやって統計上・確率的に期待値の高い投資手法を考えるというのは非常に大事なことであるため、投資を行う上で意識していきたいことです。