株価の値動きを指す言葉は多くありますが、その一つに「あや戻し」があります。
さて、あや戻しとは一体どんな現象なのでしょうか?
■「あや戻し」「あや押し」とは?
「あや戻し」とは、株価が下落トレンドにある中で、少しの反発を見せることを指します。
株価が一方方向に動き続けるということはなく、下がり続ければいつかは反発し、上がり続ければいつかは調整を挟みます。
「あや」とはトレンドの中で影響が少ない株価の動きのことを指します。「あや」「戻し」という言葉は、「小さな」「株価反発」のことを言うと考えてよいでしょう。
逆に上昇トレンドの中で小さな調整を見せることを「あや押し」と言います。押し目、という言葉は度々耳にするかと思いますが、あや押しもその一つであると言えますね。
■あや戻しの実例と、あや戻しに似ている現象
あや戻し、と似たような事例としては、「デッド・キャット・バウンス」が挙げられます。
高いところから落ちれば亡くなった猫でも跳ねる、ということを表しているこの単語は、株価が下がり続ける局面でもどこかで必ず反発する、ということを意味しています。
あや戻しは、株価の下落局面で「この水準は安いのではないか」ということを考えた投資家たちが買いを入れることによって起こります。
しかしそれは上がりすぎた株価に対しそう感じるだけであり、業績などを踏まえたうえでの実際の株価水準とはまだ乖離している可能性があります。
そういった場合、小さな反発を挟むも、結局は売りに押され安値を更新してしまう、というのがあや戻しが実際に起こるケースです。
反発があや戻しか、それとも本格的な底打ちか、ということは結果的には後になって分かるわけですが、それまでの株価変動がそれを教えてくれるヒントになるでしょう。
あや戻し、と判断出来たなら、そこで売りを入れて利ざやをとる、という投資判断も出来そうですね。
また、あや戻しが起きた場合のチャート形状は「ダブルトップ」の型を作ることが多いです。
上記チャートのように大きな山を二つ作り、最終的に下落トレンドとなる、というパターンですね。
ダブルトップも典型的な売りサインで、下げ局面での反発が起きたらダブルトップ形成を今後のプランの一つとして数えられます。
■あや戻しをどうやって実際の投資に活かすか?
株価の値動きだけを見ていると、反発があや戻しなのかどうかということは分かりづらいです。
下落トレンドと上昇トレンド、そしてレンジは繰り返し起こるもので、下落トレンドにも必ず終わりが来ますが、それを見極めるのは難しい場合が多いと言えるでしょう。
あや戻しが起きた場合は、反発したところで「戻り売り」をするのがセオリーとなります。(あや押しの場合は「押し目買い」ということになりますね)
戻り売りをするかどうか、というのは株価推移だけでなく、他のテクニカル指標や数値をあわせて見ていくとよいでしょう。
例えば上記のチャートに、「価格帯別出来高出来高」を出してみると、この先頭打ちとなりそうな株価を予想出来ます。
出来高が多い価格帯では、それだけ売買をした投資家が多いということで、その株価に近づくと売りが出やすい局面となります。
よほどの上昇材料がない限りはこういった節目で再び下落トレンドとなることが多いため、買い圧力を確認出来なかったら売りにまわる、というような考えを持てますね。
他にもオシレーター指標を使うと「買われすぎ、売られすぎ」の判断材料を得ることが出来ます。
自分にあったものや、その場にあった指標を利用することで取引の精度を上げていきましょう。