オプション取引

■オプション取引とは、

オプション取引とは、デリバティブ取引の一種で、(1)将来の予め決められた日に、(2)特定の商品を、(3)今決めた価格で売買することができる「権利」を取引することを指します。

例えば、(1)12月1日に、(2)日経平均を、(3)1万円で購入できる権利を、1000円で買ったとしましょう。この時、オプションの買い手は、売り手に対してまずは「権利」の購入費用である1000円を支払います。そして、期日である12月1日に権利を行使するか、もしくは放棄するかを決定します。

もし、日経平均株価が1万円以上であれば、オプション取引によって得た権利を使い、オプションの売り手から1万円で日経平均株価を購入し、即座に株式市場で売却することによって、その差額分を手にすることができます。ただし、実際には、わざわざ株式市場で売却をするという手間をとらなくても、差金決済といって、現物と権利行使価格との差額がもらえることになります。

逆に、もし日経平均株価が1万円以下であれば、オプション取引によって得た権利を使うべきではありません。普通に市場で購入すれば、8000円や9000円といった価格で日経平均株価が購入できるのに、わざわざ1万円を払う必要がないからです。この場合、権利を放棄して、最初にオプション価格の1000円だけ損をすることになります。

このように、オプション取引とは、将来の決められた日に、一定の価格で商品の取引を行うことのできる権利を買ったり、また逆に売りつけたりする取引のことを指します。

■オプション取引の種類は?

オプション取引には、大きく分けて4種類あります。対象となっている資産を「購入する権利」のことを「コールオプション」といい、「売る権利」のことを「プットオプション」と言います。

そして、それぞれのオプションを売る場合と、買う場合の2通りあります。

つまり、オプションには「コールオプション」の売りと買い、「プットオプション」の売りと買いという4つの種類に分けられます。

先ほどの、「12月1日に、日経平均株価を、1万円で購入できる権利を1000円で購入した」というのは、「買う権利を買った」ので、「コールオプション」の買いを行ったということになります。

■オプション取引のメリットと注意点

オプション取引のメリットの一つは「オプションの買い」を行う場合には、リスク回避に利用することができる、という点です。

例えば、オプション取引を使わずに通常の取引で、日経平均株価を1万円で購入した場合、仮に日経平均株価が5000円にまで低下すると、5000円の損失がでることになります。

しかし、「日経平均株価を1万円で購入する」というコールオプションを1000円で購入していた場合、日経平均株価が5000円にまで下がった際には権利を行使しなければよいだけなので、損失は1000円で済みます。

逆に、「日経平均株価を1万円で売りつける」というプットオプションを1000円で購入していた時も考え方は同じです。

日経平均株価が1万5000円にまで値上がりした場合、1万円で信用売りをしていた場合には5000円の損失が発生してしまいますが、プットオプションの場合はオプション価格の1000円を損するだけで済むのです。

このように、「コールオプションの買い」は値下がりリスクを低下させ、「プットオプションの買い」は値上がりリスクを低下させることができます。

しかし、「オプションの売り」の場合は、損失が無限に拡大する可能性があることには注意が必要です。

例えば、「取引相手に日経平均株価を1万円で購入することができる権利」を1000円で売った(コールオプションの売り)場合を考えてみましょう。

この場合、オプションの買い手は、日経平均株価がどれだけ値上がりしていようが、1万円で日経平均株価を購入することができます。

そのため、仮に日経平均株価が2万円にまで値上がりしていた場合、オプションの売り手は権利行使価格との差額の1万円を、もし3万円にまで上がっていれば2万円を支払わなければならなくなります。

このように、「オプションの買い手」であれば、リスクを軽減させることが出来ますが、「オプションの売り手」側になると、リスクの回避にはならないことには注意が必要です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする