デリバティブ

■デリバティブとは

デリバティブ(derivative)とは、金融派生商品ともいわれ、債券や、金、通貨、株、穀物や原油といったコモディティの価格と連動するように設計された金融商品のことを指します。基本的には、ある期日に、いくらでそれぞれの現物を購入、または売却をするという予約を行い、その期日での現物の価格と、予約をした価格との差額を決済(差金決済)する取引を行います。先物取引や、オプション取引、スワップ取引はこのデリバティブの一種となります。

■デリバティブの具体例

2

先物取引の例にデリバティブの取引を説明しましょう。例えば、1年後の価格がまだ決まっていない金1kgを、「今」400万円で購入するという約束をしたとしましょう。この時、期日である1年後に金1kgが450万円で取引されていれば、本来は450万円で取引されている金1kgを400万円で購入できるので50万円の利益が生じることになります。逆に、もし金1kgの価格が350万円にまで下がっていても400万円で購入しなければならず、50万円の損が発生します。デリバティブの取引では現物(ここでは金1kg)のやり取りは実際には発生しません。決済の日の金の価格と約束した金の価格の差額を受け取るか、支払うかというお金のやり取りだけをすることになります。

■少額で多額の投資ができるというメリット

3

投資家にとってデリバティブは、少額の投資資金でも多額の投資ができるというメリットがあります。例えば、「1か月後に日経平均を1万円で100単位を購入する」という先物取引の契約をしたとしましょう。もし、現物で日経平均を1万円で100単位を購入する場合、100万円を用意する必要があります。しかしながら、デリバティブの取引では、その契約をした際に、証拠金という少額を用意しておけばよく、また取引を行う期日には損失が発生している場合にだけその損失分を用意しておけばよいということになります。
このように、デリバティブ取引では少額の資金で多額の投資ができるという、いわばレバレッジを効かせた取引を行うことができるというメリットがあります。

■リスク回避にも使えるデリバティブ取引

4

また、デリバティブはリスクヘッジ(リスク回避)にも利用できます。例えば、これから金価格が下落する可能性が高いと予想をしているけれども、金を保有し続けたい場合を考えてみましょう。もし、1kg400万円で購入した金が1年後に350万円に下がってしまえば、50万円の含み損を抱えることになります。しかしながら、デリバティブ取引によって「1年後に、金1kgを400万円で売却するという約束」を取り付けていれば、1年後に現物価格の350万円と約束した価格の400万円の差額である50万円を獲得することができます。このように、保有している金1kgの価値は低下したけれども、その低下分をデリバティブ取引で補填することができるのです。そのため、デリバティブ取引はリスクヘッジ(リスク回避)の目的としても利用することができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする