デッド・キャット・バウンス

マーケットの株価の値動きを予想することは非常に難しいもの。しかし過去の例を振り返ってみると、将来の株価推移を予測することが可能なケースもあります。

今回はその一つの例、「デッド・キャット・バウンス」について詳しく見ていきましょう。

■デッド・キャット・バウンスとは

デッド・キャット・バウンスを英語にすると「Dead Cat Bounce」、「高いところから落ちれば、亡くなった猫でも跳ねる」ということを指します。

高値圏から落ちた株価が小さな反発をしても、それは下落トレンドにおける小さな上げにすぎない、ということを皮肉していう言葉です。

株価が急落すると「これは安い」「この下げは大きすぎる」と考えた投資家が買い向かうも、実需の売りに耐え切れず、損切りを巻き込んで更なる下落が起きる…というのがその背景にあると言えるでしょう。

■デッド・キャット・バウンスはどんな時に起きるのか

デッド・キャット・バウンスはどんな時に起きるのでしょうか?「株価が下落トレンドになった時」と言ってしまえばそれまでですが、前の項に挙げたような要素を踏まえると、「パニック的な売りが出てきた時」と言うことが出来ます。

2008年に起きたリーマンショックが全世界的な株安を引き起こしたのは多くの人の記憶に残っていると思いますが、そういった時も毎日毎日下げを見せていたわけではなく、小さな反発を見せることも当然あったわけです。

長期的な視点では下げ目線であったとしても、大きな下げを狙った短期視点でのトレードを行うプレーヤーが多いと陽線を付けることもあるということは頭に置いておきたいですね。

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個別銘柄でも同じことは起きえます。

直近高値から-40%近い下げを見せたこの銘柄は、4日連続で大きく下げたあと陽線をつけて値をやや戻すものの、

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その後再び売りに押され、最終的には-60%近い下落となってしまいました。

この銘柄は信用買い残数が多く、将来の売り需要が大きいと考えられたことも実需的な下げ要素として表れたと考えられます。

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当然デッド・キャット・バウンスのように見えるものの、そのまま上がっていく、という例外も見受けられます。

「これはまずいのではないか」という思惑で大きく売られるものの、実際にその思惑を株価が織り込むと、ただのサプライズ的な下げだった、というケースです。

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■デッド・キャット・バウンスを利用したトレードで利益を得るには

デッド・キャット・バウンスを利用し、トレードで利益を得るひとつの方法が「戻り売り」です。

下げトレンドで起きた陽線で高値目処を把握し、ショート(空売り)から入る戻り売りは、多くの下げ局面で有効な手法であると言えるでしょう。

当然売買を行う銘柄や商品によってそのタイミングは異なり、また乱高下をしている場合どこで売ればいいのかは非常に難しいポイントなのですが、大事なのは時間軸を長めに持っておくことです。

また、株価が下落の途中で「跳ねた」ときに買いを入れるというのもひとつの視点でしょう。

その株価が売られすぎかどうかを判断する指標にはRSIやストキャスティクスといったオシレーターが挙げられますが、日経平均株価においては「信用評価損益率」を非常に重要かつ優位性のあるデータとして利用することが出来ます。

信用評価損益率がマイナスになればなるほど多くの投資家が損をしていることとなり、損切りによる売りの増加を表します。

信用評価損益率が-15%~20%になると日経平均は底となることが過去の例を見ると多く、そこで買いを入れるとその後の上げに上手く乗れるというデータも出ています。

株価が大きく下がったあとに、そのまま下がり続けるか、それとも反発するかは神のみぞ知るところですが、客観的なテクニカル指標を通した数値の視点を持つことで、冷静に取引することを心掛けたいですね。

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