オプション取引を使って利益を出すには?

プロのトレーダーである機関投資家をはじめ、個人投資家であっても売買可能なオプション取引。通常の株式取引に比べると敷居が高い、と感じられる方も多いかもしれません。

そこで今回は、オプション取引のイロハについて詳しく見ていきましょう。

■そもそもオプション取引とは何なのか

日本で最もポピュラーなオプションは日経225オプション取引であると言ってよいでしょう。

日本で代表的かつ有名なオプションである日経225オプション取引は、日経先物225やETFと同じくデリバティブ(金融派生商品)に分類されます。(デリバティブとは株式や債券などとは異なる、それから派生した金融商品のことです。)

オプションは一般に「買う権利(=コール)」「売る権利(=プット)」を売買するデリバティブであり、「ある将来の時点で、その商品をある値段で売買する権利」のことを指します。

この”権利”というのがポイントで、必ずしも購入したオプションを売る必要はないというのが株などと異なる大きなポイントでしょう。

あくまでも”権利”なので実際に売買するかどうかは自分で決められるということです。

■オプション取引の特徴

次にオプション取引の性質・特徴について見ていきます。

まず、オプション取引の売買には「買う権利(コール)」の買い、売り、そして「売る権利(プット)」の買い、売りの4種類の方法があることを頭に置いておいてください。

日経225における、4月1日が満期の15000円のコールオプションの例を考えてみましょう。

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また、このときオプションの対象となる日経平均のことを「原資産」と呼びます。

厳密には異なるのですが、まずは株式におけるロングショート(買い売り)とコールプットはそれぞれ対応すると考えておきましょう。

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こういった点まではオプションも株式も変わらないのですが、オプションの場合は「権利行使価格」「プレミアム」「期日(満期日)」といった概念があることが違いとして挙げられます。

今回の例では「15000円」が権利行使価格、「4月1日」が期日(満期日)となります。オプションの場合、期日に権利行使価格で売買を行う権利をトレードするわけです。

そしてプレミアムとは、オプション自体の値段のことを指します。プレミアムは原資産の価格や、満期までの期間(時間価値)、値動きの大きさ、等によって増減します。

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このオプションを売買して利益を出すにはどういった方法があるのでしょうか?
次の項目で詳しく見ていきましょう。

■オプション取引を使って利益を出すには?

最初に、先の例で期日の一か月前、3月1日にコールオプションを買ったときのケースを考えてみます。

その場合における利益の出し方は大きく分けて、「原資産の値上がり」、また「プレミアムの上昇による転売」の2つがあります。

1.原資産の値上がり
まずは原資産の値上がりです。これは前の項目でも見た通り、株と同じような仕組みでの利益の入手方法と考えてよいです。

15000円の日経225コールオプションをプレミアム300円で買った場合、原資産である日経平均が期日である4月1日に15300円を上回っていれば、その分だけ利益が出ます。(15300円が損益分岐点になります。)

例えば期日の4月1日、日経平均が16000円であれば、コールオプションの買いの”権利”を発行し、差益分の1000円から、プレミアム代の300円を引いて700円の得をしたことになりますね。

2.プレミアムの上昇による転売
今までは4月1日が期日、権利行使価格が15000円、プレミアムが300円のオプションについて考えてきました。

ですがこのオプションの価値を考えるには、期日前の原資産の価値が重要となってきます。
原資産=日経平均株価  と今回は考えていますから、原資産が3月1日から4月1日まで15000円に対しどういった価格をつけているのかが大事となるわけです。

3月1日に原資産=日経平均株価が15000円であったのち、3月15日に原資産が15500円まで上昇したとします。

3月15日に原資産が15500円になれば、「4月1日期日、権利行使価格15000円」のコールオプションの価値は上昇し、プレミアムの価格は上がります。

原資産がそのまま4月1日まで15500円で推移すれば、3月1日に買った権利行使価格15000円のコールオプションは+500円の価値を持つことになります。(プレミアムを考慮すれば500-300で+200円)

原資産が4月1日時点でも15500円なのであれば、権利行使価格がそれに対して安ければ安いほど得をするのですから、そのコールポジションの価値は上がることになります。ひとつ前の項目で、プレミアムの値段は色々な要因で変化しうると書きましたが、原資産の価格上昇はプレミアムが上がるひとつの例です。

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原資産が15000円から15500円になったことで、「4月1日期日、権利行使価格15000円」のコールオプションのプレミアムは300円から800円に上昇しました。

このときに自分の持っていたポジションを他の投資家に売却できれば、800-300で+500円の利益が出ることになります。

これがプレミアムの上昇による転売を利用した利ざやの取り方です。プットオプションの場合は、コールオプションのそのまま逆を考えればよいです。

■大口のオプション取引の売買動向を観察する

個人投資家でも日経225オプションを売買することは可能ですが、株、先物などと同じく、大きなトレンドを作るのは機関投資家をはじめとした大口の存在です。

そういった巨大資本も国内、海外様々な主体が存在し、それぞれ自分のポジションで利益が出るようしのぎを削っているのです。

オプションと先物の大口の売買動向を確認すると、日経平均がどちらの方向へ動きそうなのか?ということを予想するのがある程度可能になります。

(「オプション手口」や「先物手口」と検索すれば簡単にチェックすることができます。)

いつもと比較して大きなポジションをとる機関投資家が現れた時や、買いポジション・売りポジションの量が転換している時は、それとなく「地合いが変化しそう」と予想できますよね。

オプションは先物のヘッジ、先物はオプションのヘッジとして利用することもでき、我々はその大きな流れにおける需給を読むことによって、利をとれるポジションをとることも出来ます。(と言ってもなかなか難しいのですが…)

指数の将来の値段を予想するひとつの思考材料として、大口のオプション取引の手口を確認するというのは一つの手であると思います。

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