テクニカル分析はファンダメンタルズ分析にならび、株式投資をしていくうえで重要な考え方となるものです。
テクニカル分析は更にトレンド系分析とオシレータ系分析に分けることができ、そういったもののひとつとして、移動平均線やストキャスティクスなどが存在するというわけです。
その中でも「ボリンジャーバンド」は移動平均線とならび、トレンド系分析の中でも重要視されることの多い指標。
今回の記事では、そんなボリンジャーバンドについて詳しく見ていくことにしましょう。
■ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心にして形成されるラインのことです。
移動平均線の上に近い順から+1σ、+2σ、+3σ。移動平均線の下に近い順から-1σ、-2σ、-3σという線が加わります。
証券会社によって表示できるボリンジャーバンドの範囲は1σまで、2σまで、と違いがある場合もありますが、上の画像では3σまであるチャートを紹介しています。
中心線の上下に存在するバンドは標準偏差をもとに表示されており、株価はボリンジャーバンド内で推移する確率が高いとされています。
一般に株価指数は
ボリンジャーバンドの±1σの範囲内:約68%
ボリンジャーバンドの±2σの範囲内:約95%
ボリンジャーバンドの±3σの範囲内:約99%
という確率でボリンジャーバンドの中を推移する、というのが特徴です。
■ボリンジャーバンドの活用例
ボリンジャーバンドからは、その銘柄の勢いを確認することが出来ます。
非常に色々な時間軸において幅広い使い方が出来るのですが、実際のトレードの中でボリンジャーバンドを実際にどう使うか、という例を紹介します。
例えば値上がりランキングに乗るような人気のある銘柄は、非常に株価の乱高下が起きやすく、値幅が大きくなりやすいです。
そういった中でいつ買い、いつ売るのか、ということにボリンジャーバンドは役に立ってくれるでしょう。
この銘柄はあるチャートの5分足ですが、株価が激しく乱高下しているのが見てとれると思います。
株価の勢いが続くか、というひとつの指標として「出来高を伴って中心線を超えたら買う」「+1σを割れたら売る」などのルールを設定するのにボリンジャーバンドは有効です。
(画像の黄色い四角は+1σを下回ったときを表しています)
他にも、ボリンジャーバンドの-3σにタッチするような時があったら買い、などといった手法を考えることもできます。
横横で動く株価に対しては、あまりボリンジャーバンドは有効に働かないため、値動きが激しめの銘柄でうまく使いこなしたいですね。
■バンドウォークとスクイーズ・エクスパンション
さて、ボリンジャーバンドには他にも特徴があります。
そのひとつが「バンドウォーク」と呼ばれるもの。トレンドが出来ている場合にボリンジャーバンド全てが同じ方向を向いている状態のことを指します。
こういったときには例えば+1σにタッチしたら買い、といった手法を考えることが出来ますね。
次によくある現象のひとつが「スクイーズとエクスパンション」です。
スクイーズ(Squeeze)、エクスパンション(expansion)の意味の通り、前者は潰れる、後者は広がる、という意味を持ちます。
多くの銘柄ではボリンジャーバンドは広がり続ける、ということはなく、スクイーズとエクスパンションを繰り返します。
この銘柄では、長い間横横だった株価が急騰しエクスパンションが起こっています。
が、その後出来高が細るにつれ株価の値幅も小さくなり、スクイーズが起きているのがお分かりになるかと思います。
この通りスクイーズが起きている際には出来高も少なくなっている場合が多く、流動性が低くなっているのが特徴です。
値幅を狙うトレードをするのであればエクスパンションの初動で売買をすることを考えたいですね。
このほかにもボリンジャーバンドには様々な活用法があります。ぜひご自身でも観察を行ってみて、優位性のある手法を見つけてみてください。