■規制銘柄とは
規制銘柄とは、証券取引所によって信用取引の規制が行われている銘柄のことを指します。規制銘柄に指定されることによって、その銘柄の信用取引を行う際には通常の銘柄よりも高い保証金率が要求されるようになったり、新たに信用取引の注文を出すことが停止されるなどの規制が行われるようになります。
例えば、信用取引を行う場合、通常は委託保証金率は30%、つまり30万円を用意すれば100万円分の株の空売りをすることができますが、この規制がかかることによって必要となる委託保証金率が50%以上必要とされるようになります。またこうした措置によって、市場が落ち着いたと判断されれば、その規制が解除されて他の通常の銘柄と同様に取引を行うことができるようになります。
■なぜ規制されるのか
こうした規制銘柄の指定が行われる原因として、信用取引によって売買が過剰に投機的になることを防止するという目的があるからです。
例えば、多くの投資家がある企業の株を借りてきて、市場で売却を行うという空売りを同時に行ってしまえば、その企業の株は一時的に売り一色となってしまい、株価が急落してしまいます。
そして空売りをした投資家たちは、急落した後にその企業の株を買い戻すため、今度は市場が買い一色となり、株価が急騰するということが起こり得ます。このように、過度に空売りが行われてしまうと、それによって株価が乱高下してしまうことになり、企業の実態とはかけ離れた株価が形成されてしまう可能性があります。
こうした不健全な価格形成を防止するために、証券取引所は信用取引の規制を行う、規制銘柄の指定を行っています。
■規制銘柄の調べ方
こうした信用取引が規制されている銘柄は証券取引所や各証券会社のHPにて確認することができます。
例えば、日本取引所グループのHP上の信用取引に関する規制等というページでは、その時々に信用取引に関する規制が行われている銘柄のリストと、その規制内容、実施日などが示されています。また「日々公表銘柄」というページでは、今後、規制銘柄に指定される危険性のある銘柄も公表されています。
こうした規制銘柄目前の銘柄をチェックすることで、自分が投資をしようとしている銘柄がこのリストに載っていないか、もし載っているのであれば、その規制が解除されたり、公表銘柄から解除されたりするまでは乱高下する可能性があることを念頭において投資を行った方がよいでしょう。