新興市場

現在我々が取引可能な株式会社の数はおよそ3500社。その割合を最も多く占めるのが東証一部企業です。

私たちが耳にしたことが多い企業が多く在籍しているのが東証一部ですが、それに対してベンチャー企業やこれから成長が見込まれる小さな企業が上場しているのが新興市場。

一部、二部、マザーズ、JASDAQと大きく4つに上場企業を分類できるなかで、マザーズとJASDAQがその新興市場の代表的なものに当たります。

■新興市場とは

マザーズやJASDAQに上場している企業は、先に書いたとおり規模が小さめ、かつ比較的最近できた会社であることが多く、東証一部銘柄などに比べると「時価総額が小さめ」「業績の伸びが大きく出やすい」「ビジネスモデルが柔軟である」などといった特徴が挙げられるでしょう。

他の市場に比べて上場基準が緩いこともあり、赤字企業であっても条件を満たしていれば上場できるのが新興市場で、多くのIPO(新規公開株)はマザーズに上場します。

その後赤字となるか黒字となるかはその時になってみないと分かりませんが、業績を好調に伸ばし続けた企業は東証一部・二部などへの昇格をすることもあり、その意味では新興企業の登竜門的な位置づけであると言うことが出来るでしょう。

■新興市場銘柄の特徴

新興市場銘柄の特徴で最も特筆したいのは、多くの銘柄が「時価総額が小さめ」であることでしょう。

時価総額は株価×株数ですが、時価総額が小さめな企業は少ない資金で株価が上昇しやすい、という特徴があるためです。

またビジネスモデルが柔軟であるため、時代の流れに沿ったテーマ性のある銘柄と認識され、将来性を買われて資金の流入を招きやすいのが新興市場銘柄の大きな性質であると言えます。

そのため小さな材料で株価が乱高下しやすく、投資というよりはやや投機的視点で売買をするトレーダーも多いのではないでしょうか。

一時的に資金が入ってきて株価が急騰したのち、大口の投資家が売り抜け、その後は長い間低迷が続く…というマネーゲーム的な様相を持つケースも見られます。

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「値動きが激しく利ざやがとりやすい」ため、多くの個人投資家がこぞってトレードをすることが多いのが新興市場銘柄ですが、その値動きを捉えることは非常に難しく、上手くエントリーや利益確定を行わないと、売り時を見逃してしまう「塩漬け」となってしまうこともあります。

そのため初心者にとってはやや売買しづらいと言うことができ、新興市場の銘柄をトレードする際には必ず過去のチャートを見て、どのような値動きをしてきたのかをチェックしておきたいところです。

■新興市場銘柄の売買のコツ

「値動きが激しく利ざやがとりやすい」のが新興市場銘柄の特徴ですが、裏を返せばその値動きで短期間に大きく損を被ってしまう可能性もある、と言うことです。

そういった性質を持つ新興市場銘柄で利益を出すコツには、「まずは損をしないトレードを徹底して身に着ける」ということが挙げられるでしょう。

値上がりランキングに乗っているからという理由で高値掴みをしない、感情に任せたトレードを行わない、など多くの重要な点が挙げられますが、まずは相場の観察をしてみる、というのが長い目で見て一番役に立つのではないかと思います。

トレードで大事なのはひとつの勝ちではなく、トータルで見た勝ちですから、「将来同じようなことが起きた場合にどう対応するか」という精度を磨いていくことが最も大事。

必ずしもひとつひとつの売買に実際に自分の資金を費やす必要はなく、「これから株価がどういった動きをするか」「こういうときに株価は上がるんじゃないか」という予測のもと、検証を繰り返して期待値の高いトレード手法を確立することが重要なのではないでしょうか。

実際に自分のお金を使ってトレードすることは非常に大切なのですが、プロのトレーダーが蔓延る相場において、値動きや歩み値、板の観察をすることはそれと同じくらい価値ある行動であると言えます。

自分が機関投資家の卵だと思って本気でやることこそが長期的な勝ちに繋がるのです。

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