■マザーズとは
マザーズとは、Market Of The High-growth and Emerging Stocksの略で、1999年に東京証券取引所が創設した新興企業向けの株式市場のことを指します。
マザーズの英語名にもあるように、高い成長の可能性を秘めている企業の株の売買を行うことを目的としている株式市場であり、特に東証一部へのステップアップを視野にいれた成長企業向けの株式市場という位置づけがされています。
そのため、マザーズに上場をして10年が経過すると、東証二部への市場変更か、マザーズへの上場を継続させるのかを選択することができるという特徴があります。
■ジャスダックとマザーズの違いは
マザーズは新興企業向けの株式市場ですが、ジャスダックも東京証券取引所が運営する新興企業向けの市場となっています。
では、この二つの株式市場では何が違うのでしょうか。最も大きな違いは、東証一部へのステップアップを強く意識しているかどうかです。
マザーズは先述したように、市場そのものが将来的には東証一部にステップアップすることを目的として作られたもので、10年以内にまずは東証2部へステップアップを行うことができます。
そのため、マザーズに上場をしている企業は成長への意欲が高いと言われています。それに対して、ジャスダックではそのような規定がなく、長期に渡ってジャスダック市場に残り続けている企業もいます。
このように、東証二部や一部へのステップアップのしやすさという点で二つの市場は異なっています。
もう一つは市場規模の違いです。ジャスダックは「スタンダード」と「グロース」という二つの市場区分がありますが、そのうちの「スタンダード」には約700社が上場しており、1日の売買代金は300億円ほどです。
それに対して、マザーズは上場企業数自体については約200社と少ないものの、1日の売買代金は600億円から1000億円ほどとジャスダックの倍以上あります。
こうしたことから、マザーズの方がより市場規模が大きく、かつ1銘柄あたりの出来高が大きいことが分かります。
■2016年に「東証マザーズ先物指数」が取引開始
2016年7月19日からは「東証マザーズ先物指数」の取引が開始されました。この「東証マザーズ先物指数」は東証マザーズに上場する全銘柄を対象とした株価指数先物です。
マザーズは成長性の高い企業が多いのに対して、日経平均を構成する銘柄は伝統的な大型株中心なので、日経平均株価との値動きの相関が低くなっています。
そのため、「東証マザーズ先物指数」は、日経平均株価が低下している時には、マザーズの株価が上昇しているといったことが起こりやすい商品だと言えます。
こうしたことから、日経225などと組み合わせることで、リスクヘッジを行うことができるようになっています。