テクニカル分析を使うチャーティストにとって、チャート上に線を引くというのは非常に重要なことでしょう。ラインを入れることにより将来の株価の目安や動きを予想する手助けになるためです。
■支持線とは
チャートにおける線の引き方については色々な方法がありますが、「支持線」は代表的なものの一つであると言えます。別名サポートラインとも呼ばれ、その名の通り株価の「支え」となるポイントを分かりやすくするために引かれる線です。基本的に直近の安値2つをつなぐようにして描かれ、そのライン上が【トレンドの転換点】または【反発のポイント】となることが多いです。
具体的な例を見てみましょう。
(2016年9月12日時点 日経平均週足3年チャート)
これは2016年までの日経平均の週足チャートです。2つの安値を結んだ支持線を割り込んだのち、株価が下落トレンドに変わっていることが見てとれると思います。
上と同じチャートに別の支持線を引いてみましょう。
下落トレンドに入ったチャートですが、今回の場合は支持線上のポイントで反発を見せています。様々な視点から「ここで反発が起きそう」という考えを持てれば、上手く下で買いを入れられることが出来ますね。
■ダマシのブレーク
2つめのチャートを見たときに違和感を持った方もいるかもしれません。「支持線を割っているのにトレンドが変わっていない」という点ですね。
これは「ダマシ」と呼ばれるもので、サポートラインを割ったような動きを見せた場合にもセオリー通りには動かない、という事例です。あくまでラインは一つの目安に過ぎず、株価の動きに絶対はないということですね。
■支持線と抵抗線の関係
支持線と切っても切れない関係にあるのが「抵抗線」です。下値を支える支持線に対し、上値を抑えるのが抵抗線。この2つの関係で重要なのが、「株価が抵抗線を上回ると、その抵抗線が支持線になる」ということ。
具体的なケースを出して見てみましょう。
(2016年9月12日時点 NYダウ週足3年チャート)
高値と高値を結んだ抵抗線を株価が超えたのち、同じラインが支持線になり、そこで反発しているのが分かりますよね。
同様に「株価が支持線を下回ると、その支持線が抵抗線になる」と言うことも出来ます。当然そこで必ず株価が節目となるわけではないのですが、多くの人が注目するポイントであるため一つのメドとして考えることが出来るでしょう。
■チャートにラインを引くことの重要性
このように、チャート上に線を引くことは株価の目標値や今後の動きを予想する一つの材料となります。未来の株価予想は様々な情報を取捨選択して行う必要がありますが、支持線、抵抗線を描くのは多くの投資家にとって最もポピュラーであると言えるでしょう。
そのため自分でもラインを引いてみて、色々と試行錯誤していくことが自分の投資力を磨くいい勉強になるのではないかと思います。