配当狙いの落とし穴

配当狙いの投資法は、配当金と株主優待を獲得できる上に価格変動リスクを抑えられるメリットの多い投資法です。

しかし、どんな投資法にもリスクやデメリットがあります。

当然配当狙いの投資法にもリスクやデメリットがあります。

この記事では、そんな配当狙いの投資法のリスクやデメリットについて解説していきます。

この記事を読んで、デメリットを知ることで、更に配当狙いの投資法と上手く付き合っていくことかできるようになるでしょう。

■配当銘柄の手仕舞いタイミング(元本変動リスク)

配当狙いの投資法で、1番難しいのは手仕舞いのタイミングです。

配当金の権利付き最終日の翌日の権利落ち日には、多くの配当金狙いの投資家が株式を売却します。

その動きによって、株価は大きく下落します。

そして、大きく株価が下落したタイミングで株式を売却すると、配当金や株主優待で得た利益よりも、株式の下落額の方が大きくなり損をしてしまうことがあります。

このような損失を防ぐ為に

・株式を権利落ち日に売却せずに、暫く待ち、株価が落ち着いてから売却する方法

・配当金の権利付き最終日前に株式を購入しておき、権利付き最終日に株価が大きく上昇するようなら配当金を諦めて、そのタイミングで売却する、もし、大きく上昇しなければ配当金を得るという方法

権利付き最終日の上昇と、その後の権利落ち日の下降は比例しており、その点を見極めることでリスクを抑えることができます。

・リーマンショックなどの大暴落時に株式を購入しておき、長期的に保有して配当金や株主優待を得て、現金が必要になったら売却する方法

大暴落時なら割安な株価で株式を購入できるので、その後の相場で損失が出る可能性を抑えることができます。

どの方法を取っても、場合によっては相場の状況が悪く、なかなか手仕舞いのタイミングが訪れないこともあり得ます。

そのため、その企業の配当金や株主優待を確認し、最悪の場合にも長期的に保有できる銘柄を選んで投資するのが良いでしょう。

■無配の可能性

配当金の源は企業の利益です。
そのため、何らかの理由で企業の業績が悪化した場合には、配当が支払われないことがあります。

また、企業が設備投資や研究開発に資金を集中し事業拡大を行う方針を取ることによって、配当を延期することもあります。

高い確率で配当金は予定通り分配されますが、何らかの理由で減配、無配になるリスクは常にあります。

■権利確定日は必ず確認する

多くの投資家が権利確定日を勘違いして、別の日に株式を購入してしまった経験を持っています。

権利確定日を間違えて購入すると、気持ちだけてなく、金額としても手痛い思いをすることになります。

そのため、配当金の権利確定日は必ず確認しましょう。念の為にカレンダーやメモ帳に記載しておくことをお勧めします。

■NISA口座での配当受け取り(証券口座入金以外は20%課税されてしまう点)

NISA口座で保有している株式からの配当金は非課税になります。

ここまでは多くの方が知っていると思いますが、実は配当金を非課税にするには条件があります。

それは、配当金の受け取り方式を、株式比例方式にして、NISA口座を保有している金融機関の口座に配当金を振り込むということです。

もし、配当金の受け取り方式を株式比例方式以外の方式にして配当金を受け取ると、配当金は非課税にならず税金が課税されてしまいます。

具体例

金融機関AでNISA口座を開設し株式Oを100株購入したとします。

そして
株式Oは配当金を1株100円出しました。

企業から受け取れる配当金は10000円です。

100株×1株辺りの配当100円=配当金合計10000円

株式比例方式での受け取りの場合

この場合では、配当金の10000円、全額がNISA口座を開設している金融機関Aの口座に振り込まれます。

株式比例方式以外での受け取り

この場合では、配当金の10000円に20%の税金が課税されます。

配当金10000円×税率-20%=8000円

そして、課税後の8000円の配当金が受け取れます。

こうなるとNISA口座の意味が無くなってしまい非常にもったいないので、NISA口座で保有している株式の配当金の受け取り方式は、必ず株式比例方式にしましょう。

■株主優待は、必ずしもお得とは限らない

配当金と共に獲得できる株主優待を利回りとして考えている投資家も多いと思いますが、株主優待は必ずしも素直に利回りとして考えて良いとは限りません。

企業のグループ内でのみ使える金券は、近くに使える店舗が無ければ意味がありませんし、株主優待をヤフオクで販売するにしても安く買い叩かれてしまう物も少なくありません。

株主優待を当てにして株式を購入して、獲得した後に、思ったような価格で販売できなかったり、利用することができずに、こんな筈ではなかった、とならないように、事前に利用方法や処分方法を確認しておきましょう。

利用できる株主優待で無ければ、利回りとして考えない方が良いでしょう。

■まとめ

配当金や株主優待狙いの投資法はメリットも多いのですが、この記事で紹介したようにリスクやデメリットも存在します。

しかし、リスクやデメリットはしっかりと認識して事前に対策を取ることで避けることができます。

この記事を参考にリスクやデメリットの対策を取り、上手く配当狙いの投資法と付き合って、リスクを抑えながら配当金や株主優待を獲得して行って下さい。

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