抵抗線

チャートから未来の株価の動きを予想する方法は千差万別であると言うことが出来ますが、その中でも多くの人が判断材料としているのが「支持線・抵抗線を引くこと」なのではないでしょうか。

■抵抗線とは

「安値と安値を結んで描く」ものである支持線に対し、「高値と高値を結んで描く」のが抵抗線です。「抵抗」という名の通り、株価がライン付近まで接近すると高値更新を拒まれるように反発するケースが多く見られます。レジスタンスライン、と呼ばれることもあります。

実際のチャートを参考にしてみましょう。次の画像は、トヨタ自動車 のある期間での日足チャートです。

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(2016年9月13日時点 トヨタ自動車 日足チャート)

2つの高値を結んだ抵抗線の延長上、株価はさらなる上昇を目指そうとしますが、抵抗線付近で跳ね返されているのがお分かりいただけるでしょうか。

このように抵抗線は将来の株価のメドを判断するのに非常に役に立つものです。次はこういったことを踏まえ、抵抗線をどうやって売買に活かしていけば良いか考えてみることにしましょう。

■抵抗線をどう売買に活かすか

今まで抵抗線の意味についてチェックしてきましたが、実際に抵抗線を使って利益を出す方法についていくつか例を挙げてみます。

抵抗線に株価が近づいたあと、その後の動きとして主に考えられるのは【反発】または【ブレイクアウト(高値更新)】の2パターンですが、売買を行う商品(今回の記事の例ではトヨタ自動車ですね)の特徴を抑え、どちらのパターンになるかを予想してみる、ということが一つの具体的なケースです。

例えばトヨタ自動車の場合は自動車の輸出を行っており、そのため円を中心とした為替市場の動向も株価に大きく影響してくると言えます。為替動向のトレンドを意識しつつ、円高に振れるようであれば当然トヨタ自動車にとってはデメリットなのですから、抵抗線をブレイクアウトするのは難しいのではないか…という予想を持つことが出来ます。

また、日経平均のような指数や業界全体の動向と併せ抵抗線(トレンドライン)を使っていき、広い視野で将来の株価予想を立てることが投資眼の向上に繋がります。

■抵抗線の応用

チャート上にラインを引く、というのは非常に重要なことで、色々な応用を利かすことが可能です。チャートの形が三角形になる「三角保合い」は、その頂点で株価が上下どちらかに大きく動きやすい、というかたちですが、これも支持線・抵抗線を引くことによって発見しやすくなります。

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(2016年9月13日 そーせい 日足チャート)

株価が三角形のかたちの中におさまり、段々とその値幅が小さくなっていっていますよね。上記画像はその先の動きを敢えて消したものですが、この後株価はどのように動くと思いますか?「三角保合い」のセオリー通りならば、大きく上がるか、大きく下がるか、のどちらかですよね。

答えは次のようになります。

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当然地合いの影響などもありこういった動きをしているのですが、チャートを見て「三角保合い」を意識できたならば不用意にポジションをとることを避けられるのではないでしょうか。

■まずは自分で支持線・抵抗線を引いてみる

株価の予想、というと難しそうですが、まずはチャート上に自分でラインを引いてみて、自分なりの考えを持つことが大事です。実際にその銘柄に資金を投資するのかは関係なく、予測と検証をしていくことが投資では非常に重要なためです。

利益を継続的に出していくためには、自分の予想の精度を高めていく努力は必ずしなければなりません。「線を描く」というのは単純なようにも思えますが、続けるうちに自分の力となってくることは間違いありません。

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