《塩漬け》とは、株価が上がると思って買った株が意に反して下がり、損切りを行うと大きな損失が確定するので、売るに売れなくなって長期保有を続けてしまうことです。
何故《塩漬け》を作ってしまう投資家がいるのでしょうか?
含み損を抱えた投資家心理に迫ります。
【塩漬けを作る原因】
《塩漬け》を作る原因として、下記の5つが浮かびました。
- 仕掛けタイミングが不適切
- 手仕舞いタイミングが不適切
- 損益比率を考えていない
- ナンピンをする
- メンタルが弱い
「仕掛けタイミングが不適切」
仕掛けタイミングが間違っていると、すぐに含み損を抱えてしまいます。
含み損を抱えてばかりになると、”今度こそ負けたくない”という心理が働き、損切りを怠ってしまうのです。
相場に合ったテクニカル分析を用いて、適切な仕掛けタイミングを掴みましょう。
「手仕舞いタイミングが不適切」
仕掛けが上手くて底値を拾えたとしても、手仕舞いで台無しにしてしまうことがあります。
利益確定ラインが遠すぎると勝率が低くなり、”これ以上負けたくない”という焦りが出てきます。
反対に利益確定ラインが近すぎると稼ぎが小さくなり、”損失1回で大損するわけにはいかない”といった感情で《塩漬け》にしがちです。
仕掛ける時点で適切な目標株価を設定しましょう。
「損益比率を考えていない」
利益と損失のバランスが不釣り合いだと、破産リスクを招きます。
勝率を重視するあまり、利益が小さくなると《コツコツドカン》になりかねません。
資産が減る一方となれば、ますます《塩漬け》を作るきっかけとなってしまいます。
破産リスクを抑えた損益比率を目指しましょう。
「ナンピンをする」
《ナンピン》をする癖のある方は注意が必要です。
《ナンピン》は取得平均単価を下げる効果がありますが、ロットは大きくなってしまいます。
トレンドが反転すればよいですが、下げ止まらなかった場合はますます損切りしづらい状況に陥ります。
計画的な買い増しである《買い下がり》ならまだしも、《ナンピン》は慎むべきでしょう。
「メンタルが弱い」
株式投資は感情的になってしまうとルールを破りがちです。
株価が思い通りに動かないからといって、半ばキレ気味に信用二階建てをする投資家をみかけます。
しかし、信用二階建ては非常に危険で、《塩漬け》どころか借金の恐れもあります。
“負けたくない”気持ちはわかりますが、無茶は避けましょう。
【塩漬けの弊害】
《塩漬け》を作ると資金が凍結し、機会損失に繋がります。
上がるかもわからない株を持ち続け、目の前にいる魚を逃してしまいます。
人間はミスする生き物ですから、自分の判断ミスを受け入れる気持ちが大切です。
これは株式投資のみならず、仕事でミスした場合にも同じことがいえます。
言い訳するよりも素直に謝った方が良いのは明白でしょう。
【塩漬けになりやすい銘柄】
- 流行株
流行したり、話題になった株は過熱感があり、人気がなくなると一気に暴落します。
暴落後は次第に出来高が細っていき、株価は長期間にわたって低迷を続けます。
大人気スマホゲーム「パズドラ」で話題になった「(3765)ガンホー・オンライン・エンターテイメント」を紹介します。
上図のガンホー日足チャートを見ると、2013年4月から2013年5月にかけて株価は急騰しています。
一見すると簡単に稼げそうな気になってしまい、つい手を出しがちな株価の動きです。
しかし、2013年8月には急騰前の株価に戻ってしまい、その後も横ばいが続いています。
もしピーク時に買ってしまった場合、《塩漬け》にしても助かる見込みがないとわかる一例でした。
- 仕手株
《仕手株》は仕手筋の《相場操縦》によって急騰・暴落を繰り返す株のことです。
勢いに乗れればよいですが、なかなか上手くいかないものです。
上図は「(2315)SJI」の日足チャートです。
わずか4日間で株価31円から154円まで急騰しました。
しかし、株価154円を付けた2016年1月15日の終値は91円です。
損切りをためらっていたら、あっという間に《塩漬け》が出来上がります。
また、損切りを決行しようにもあまりの早さに《約定》できないケースも考えられます。
特に場中株価を見られないサラリーマンの方は、《仕手株》に手を出すと《塩漬け》になるリスクが高いでしょう。
【メンタルをコントロールしよう!】
《塩漬け》を作りやすい人の傾向として、プライドが高く負けず嫌いな方が多いです。
“1回でも多く勝ちたい”という気持ちはわかります。
しかし、スポーツの一流プレイヤーでさえ、”1回も負けない”ということは不可能です。
イチローは百発百中ヒットを打てますか?
答えは”NO”です。
大切なのは”勝つ”ことではなく、”資産を増やす”ことであると気付いてください。
投資家であれば、資産を増やすことが目標のはずです。
目の前の勝負にこだわって資産を減らすのでは本末転倒といえます。
どんなときでも、「三歩進んで二歩下がる」程度の余裕を持って臨みたいものです。