【ディフェンシブ株と景気敏感株】
本やネットでよく耳にする「ディフェンシブ株」「景気敏感株」とは何でしょうか?
株式の銘柄は業種によって特徴が異なり、その中でも大きく「ディフェンシブ株」と「景気敏感株」に分けることができます。
それぞれの性質を抑えて、自身の投資スタイルに適した銘柄選びが大切です。
まず「ディフェンシブ株」ですが、景気に左右されにくい銘柄を指します。
名前は英語の「ディフェンス(守り)」からきており、相場が弱い時でも安定しています。
- 食品
- 医薬品
- 電力
- ガス
- 鉄道
上記の業種が代表的な「ディフェンシブ株」です。
多くは生活必需品で、景気が悪いからといって需要がなくなることはありません。
一方「景気敏感株」は、景気の影響を受けやすい銘柄を指します。
別名「内需関連株」ともいいます。
- 銀行
- 素材産業
- 工作機械
- 運輸産業
上記の業種が代表的な「景気敏感株」です。
景気による受給の浮き沈みが激しい傾向にあります。
【株価の動き】
業種の特徴は株価にも反映されます。
「ディフェンシブ株」は安定した株価推移で、《ボラティリティ》が小さいです。
「ディフェンシブ株」の株価は短期間で大きく動かないため、《長期投資》で《インカムゲイン》を狙う投資スタイルが適しています。
一方「景気敏感株」は激しい株価推移で、《ボラティリティ》が大きいです。
「景気敏感株」は暴騰・暴落しやすいため、《デイトレード》などの短期投資で《キャピタルゲイン》を狙う投資スタイルが適しています。
【大型株と小型株】
「ディフェンシブ株」と「景気敏感株」は、さらに「大型株」「小型株」に分類できます。
「大型株」と「小型株」の分類は《時価総額》と流動性で決まります。
東京証券取引所が作ったランキングの上位100銘柄が「大型株」、400位までを「中型株」、それ以外の銘柄は「小型株」としています。
「大型株」は値動きが緩やかなのに対し、「小型株」の値動きは激しいです。
ですから、「ディフェンシブ株」の「大型株」なら株価はほとんど動きません。
反対に「景気敏感株」の「小型株」なら、値動きは非常に軽くなります。
【ディフェンシブ株のリスク】
これから株式投資を始めようという方は、値動きがゆっくりとした「ディフェンシブ株」の「大型株」がおすすめです。
しかし、「ディフェンシブ株」だから”絶対安全”などと過信しないでください。
投資にリスクはつきものです。
下図は「(9501)東京電力」の日足チャートです。
暴落前、東電の株価は2,121円でした。
翌営業日から3日間寄らずの《ストップ安》が続き、ようやく寄り付いたときには741円です。
売ることもできずに、株価は約3分の1となってしまいました。
東電に全力投資していたら目も当てられない結果となったことでしょう。
1銘柄に資金を集中させてしまうとリスクが高まります。
そこで、同じ「ディフェンシブ株」でも業種別に分散して買うことが大切です。
これを《分散投資》といいます。
例1.
電力銘柄:300万円
↓
電力銘柄:100万円、食品銘柄:100万円、医薬品銘柄:100万円
例1のような構成に変えれば、電力銘柄で損しても食品銘柄や医薬品銘柄でカバーできるかもしれません。
《分散投資》の効果は絶大です。
身に付ければ、末長い投資ライフを送れるでしょう。