《ローソク足》は、”酒田五法”でも知られる江戸時代の米商人「本間宗久」が考案しました。
株価の動きが一目でわかるため、現在では世界中の投資家が使っています。
基本指標ですが、トレードにおいて欠かせない存在です。
一口に《ローソク足》といっても、チャートには様々な足型が描かれています。
その1つ1つに意味があり、足型同士を組み合わせて考えることも大切です。
《ローソク足》をマスターしてこそ、真の投資家といえるのではないでしょうか。
【基本形】
まずは基本形のおさらいをしましょう。
- 小陽線・小陰線
画像左が小陽線、画像右が小陰線です。
総称して「コマ」と呼ばれます。
小陽線は株価が少し上昇、小陰線は株価が少し下落したことを表します。
どちらも値動きに乏しく、気迷いが感じられます。
《保ち合い》のときに出現しやすい足型です。
- 大陽線(大赤線)・大陰線(大黒線)
画像左が大陽線、画像右が大陰線です。
大陽線は株価が大きく上昇、大陰線は株価が大きく下落したことを表します。
トレンドが強いときに出現しやすい足型です。
- 上ヒゲ陽線(上影陽線)・上ヒゲ陰線(上影陰線)
画像左が上ヒゲ陽線、画像右が上ヒゲ陰線です。
高値まで買われたものの、最終的に売り込まれたことを表します。
天井圏で出現した場合、トレンドの転換が考えられます。
- 下ヒゲ陽線(下影陽線)・下ヒゲ陰線(下影陰線)
画像左が下ヒゲ陽線、画像右が下ヒゲ陰線です。
安値まで売り込まれたが、最終的に大きく買われたことを表します。
底値圏で出現した場合、トレンドの転換が考えられます。
- 十字線
上の画像が十字線です。
寄引同事線の1つになります。
買われる場面と売られる場面両方あったが、最終的に始値で落ち着いたことを表します。
相場の転換点で出現しやすい足型です。
- トウバ
上の画像がトウバです。
寄引同事線の1つになります。
勢いよく買い進むが、最終的に始値まで押し戻されたことを表します。
相場の転換点で出現しやすい足型です。
- トンボ
上の画像がトンボです。
寄引同事線の1つになります。
売り込まれたが、最終的に始値まで押し戻したことを表します。
相場の転換点で出現しやすい足型です。
【基本形のバリエーション】
基本形にもバリエーションがあり、それぞれ特徴を持っています。
- 丸坊主
画像左が陽の丸坊主、画像右が陰の丸坊主です。
陽の丸坊主は始値を割らずに終始上昇したことを表します。
陰の丸坊主は始値を越えずに終始下落したことを表します。
どちらもヒゲが無い点が特徴です。
ローソク足単体では、最も強力な足型となります。
- 寄り付き坊主
画像左が陽の寄り付き坊主、画像右が陰の寄り付き坊主です。
陽の寄り付き坊主は始値を割らずに上昇したことを表します。
陰の寄り付き坊主は始値を越えずに下落したことを表します。
- 大引け坊主
画像左が陽の大引け坊主、画像右が陰の大引け坊主です。
陽の大引け坊主は終値が高値であったことを表します。
陰の大引け坊主は終値が安値であったことを表します。
- トンカチ
画像左が陽のトンカチ、画像右が陰のトンカチです。
上ヒゲ陽線、上ヒゲ陰線よりも始値に近い位置で引けます。
売り圧力が強かったことを表します。
- カラカサ
画像左が陽のカラカサ、画像右が陰のカラカサです。
総称して「たくり線」と呼ばれます。
下ヒゲ陽線、下ヒゲ陰線よりも始値に近い位置で引けます。
大きく買い戻されたことを表します。
【ローソク足2つの組み合わせ】
《ローソク足》を2つ組み合わせて考えます。
- 出会い線
画像上が買いの出会い線、画像下が売りの出会い線です。
当日と前日の終値が同じです。
当日はどちらも窓を空けて寄り付きますが、最終的に前日の終値で落ち着きます。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 切り込み線
上の画像が切り込み線です。
当日安く寄り付くものの、前日下落幅の半分以上を戻します。
売り圧力が弱まっているため、買いの足型です。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- はらみ線
画像上が買いのはらみ線、画像下が売りのはらみ線です。
当日ローソク足の実体が前日ローソク足の実体にはらまれています。
当日は前日よりも小幅な値動きであるため、拮抗状態と考えます。
トレンドの転換が近いです。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- たすき線
画像上が買いのたすき線、画像下が売りのたすき線です。
当日は前日の実体内で寄り付きます。
前日の勢いを打ち消しているため、トレンドが転換しやすいです。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 振り分け線(行き違い線)
画像上が買いの振り分け線、画像下が売りの振り分け線です。
前日始値と当日始値が同じです。
どちらも大きな窓を空けて寄り付きます。
前日とは一転して動くため、その勢いは強いです。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 包み線(抱き線)
画像上が買いのつつみ線、画像下が売りの包み線です。
当日の実体が前日の実体を包みます。
前日の勢いを一掃した形で、相場の転換が近いです。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- かぶせ線
上の画像がかぶせ線です。
当日高く寄り付くが、押し戻されます。
天井圏では反落に注意が必要です。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 毛抜き天井
上の画像が毛抜き天井です。
2日連続して高値が同じです。
高値更新の意欲が弱いと考えられ、売りの足型になります。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 毛抜き底
上の画像が毛抜き底です。
2日連続して安値が同じです。
安値を割らなかったことから、買いの足型になります。
2つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
【ローソク足3つの組み合わせ】
- 赤三兵
上の画像が赤三兵です。
上昇相場の初期にみられ、3日連続ジリ高で終わります。
底値圏で出現すれば買いです。
3つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 黒三兵(三羽烏)
上の画像が黒三兵です。
3日連続ジリ安となります。
買い方の腰が引けており、下降トレンド入りが考えられます。
3つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 三手大陰線
上の画像が三手大陰線です。
大陰線が3日続きます。
非常に弱気な足型ですが、投げ売りが進んだことでリバウンドが望めます。
3つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 三川明けの明星
上の画像が三川明けの明星です。
底打ちシグナルとして有名で、下落後に出現すれば買いとなります。
3つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
- 三川宵の明星
上の画像が三川宵の明星です。
2つ目の《ローソク足》がコマとなり、上値が重たい形です。
天井圏で出現した場合、売りとなります。
3つのローソク足を1つのローソク足にまとめると画像右のようになります。
【ローソク足5つ以上の組み合わせ】
- 放れ五手黒一本底
上の画像が放れ五手黒一本底です。
底打ちを暗示する足型です。
窓を空けて下落したあと、《保ち合い》が続き、突如大陰線が出現します。
更なる下落かと思いますが、これは底入れを表しています。
翌日の高寄りがポイントで、安寄りではまだ下値の不安が残ります。
放れ五手黒一本底は底入れを暗示する足型ですが、その後力強く株価が上昇するわけではありません。
様子を見ながら、少しずつ買いを入れていきましょう。
- 放れ七手の変化底
上の画像が放れ七手の変化底です。
底入れを暗示する足型です。
窓を空けて大きく下落後、株価は横ばいが続きます。
その後、高寄りした大陽線が出現します。
この大陽線は「これ以上は下がらない」とみた売り手の買戻しです。
大底になるかはわかりませんが、買い手が増えていくと予想されます。
- 連続下げ三手放れ三ツ星
上の画像が連続下げ三手放れ三ツ星です。
底入れを暗示する足型です。
大きく下落後、小さい陰線が3つ(三ツ星)続き、十字線が出現します。
十字線は底入れの前兆であり、翌日に大陽線をつけるようなら決定的です。
- 三手放れ寄せ線
上の画像が三手放れ寄せです。
天井を暗示する足型です。
窓空け後に三手大陽線が出て一見強そうですが、直後に十字線が出ています。
これは今まで買い進めていた投資家が気迷いを始めた証拠です。
大暴落が予想されますので、買いを入れるのは控えた方が良いでしょう。
- 上げ三法
上の画像が上げ三法です。
上昇相場を表す足型になります。
ポイントは大陽線の中に3つの小陰線がはらまれる点です。
一見黒三兵ですが、上昇幅を超えていません。
これは一時的な調整ですから、翌日の大陽線で買いとなります。
- 下げ三法
上の画像が下げ三法です。
下落相場を表す足型になります。
ポイントは大陰線の中に3つの小陽線がはらまれる点です。
一見赤三兵ですが、下落幅を超えていません。
これは一時的な戻しであり、翌日の大陰線で売りが決定的となります。