買い下がりとは運用手法の1つで、株価が下がった際に計画的買い増しを行う戦略です。
下降トレンドの反転を狙った《逆張り》で使われます。
株価が下げ止まらなかった場合を考慮に入れると、ポジション増加はリスクの高い戦略ですが、トレンドが反転した際のリターンも大きいです。
買い下がりと一括りにいっても、買い増しの仕方は2つの手法があります。
- ピラミッティング
- 逆ピラミッティング
1つ目は《ピラミッティング》です。
《ピラミッティング》は最初に大きなポジションを取り、買い増すポジションを徐々に小さくしていく戦略です。
《順張り》で使われます。
「ピラミッティング(下落時)」の図をみると、エントリーは500円~490円でしています。
その後450円まで買い下がっています。
平均取得単価を割り出してみましょう。(計算しやすいように高値で買ったものとします)
500円×1,000株=500,000
490円×500株=245,000
480円×300株=144,000
470円×200株=94,000
460円×100株=46,000
平均取得単価=購入金額合計÷株式合計
1,029,000÷2,100=490
図の例では平均取得単価490円となりました。
現在の株価は440円ですから、51円上昇して株価が491円になれば利益が出始めます。
しかし、利益を手にするには株価が10%以上上昇する必要があるため、買い増し方に疑問が残る結果となってしまいました。
2つ目は《逆ピラミッティング》です。
《逆ピラミッティング》は小さなポジションから始め、買い増すポジションを徐々に大きくしていく戦略です。
《逆張り》で使われます。
買い下がりは相場の下落を見込んでいるため、《逆ピラミッティング》が有効です。
「逆ピラミッティング(下落時)」の図をみると、エントリーは490円~480円でしています。
その後440円まで買い下がっています。
平均取得単価を割り出してみましょう。(計算しやすいように高値で買ったものとします)
490円×100株=49,000
480円×200株=96,000
470円×300株=141,000
460円×500株=230,000
450円×1,000株=450,000
平均取得単価=購入金額合計÷株式合計
966,000÷2,100=460
図の例では平均取得単価460円となりました。
現在の株価は440円ですから、21円上昇して株価が461円になれば利益が出始めます。
《ピラミッティング》の例では利益まで51円の上昇が必要だったことを考えると、《逆ピラミッティング》は株価下落時に適した買い増し方といえます。
【まとめ】
- 逆張りでの買い増しはリスクが高い
- 株価下落時は逆ピラミッティングが有効である