■低位株とは
低位株とは、1単元あたりの株価が低い銘柄のことを指します。この株価が低いというのは、割安か割高かというお買い得感とは無関係に単純に投資に必要な資金が少ない株のことを指します。例えば、トヨタや任天堂といった有名企業に投資を行う場合、数十万から数百万円の資金が必要になることもあります。しかしながら、この低位株の場合、1単元1000株で株価が7円といったものもあり、1万円以下から投資を行うことができます。
■ハイリスク・ハイリターンではあるが、損失額は少ない低位株
この低位株の特徴の一つはハイリスク・ハイリターンということです。例えば、1株10円の銘柄がたった1円だけ動き、11円になったとしても、利益率にすれば10%となります。もちろん、逆に言えばたった1円株価が下落しても10%の損失となり、リスクが高いことも意味しています。
しかしながら、低位株は1万円以下でも投資ができるような銘柄であるため、そもそも損失を出しても大きな損失を出しにくい、という特徴もあります。例えば、先ほどの例に出したような1単元1000株で株価が7円の銘柄の場合、仮にこの会社が倒産をし、株券が紙くずになったとしても、損失はたったの7000円で済みます。しかしながら、この銘柄が急騰して2倍、3倍になった場合には、7000円、1万4000円の儲けがでるように、売却益は株価の上昇に応じてどんどん高くなっていくことになります。そのため、ハイリスク・ハイリターンではありますが、損失の方は限定的ですが、リターンの方はどこまでも伸びていく可能性のある株であるともいえます。
■低位株の青田買いで一発を当てるという投資手法が可能に
こうした低位株の特性を生かして、分散投資を行い、すべての銘柄で利益を狙うのではなく、少数の銘柄の大きな利益で全体としての投資収益を確保しようとする投資家もいます。例えば、通常の銘柄であれば、100万円の投資資金を保有している投資家が通常の株で分散投資をしようとしても、2~3社程度の株にしか投資できないという可能性が大いにあります。その結果、予想が外れてすべての会社で損失を出してしまう、ということも十分に起こりえます。それに対して、低位株の場合、1単元数千円~数万円で投資が出来てしまうため、仮に100万円の投資資金があるすれば、100社近くの企業に投資をすることが可能になります。そして、この低位株は先述したように、損失は限定的ですが、利益は株価の上昇に応じてどこまでも伸びていく、という性質を持っています。そのため、仮に投資をした企業の1/3が倒産して投資資金が回収できず、また1/3は全く株価が変わらずプラスマイナスがゼロという場合であっても、残りの1/3が倍以上に株価が上昇してくれれば、全体の投資パフォーマンスとしては利益がでます。そのため、投資家の中には多数の低位株に投資を行い、その中のいくつかの銘柄が急騰するのを気長に待つ、という投資手法を取っている人もいます。