リスク許容度

■リスク許容度とは

リスク許容度とは、投資家が資産を運用することによって生じる可能性のある損失をどれぐらいまでなら受け入れることができるのか、ということの度合いのことを指します。

例えば、100万円の損失が出ても痛くも痒くもないようなリスク許容度の高い人もいれば、1万円の損失であっても身を切るような辛い思いをするリスク許容度の低い人もいます。

このように人によってどれぐらいの損失を受け入れることができるのか、というリスク許容度は異なっています。

■リスク許容度によって投資すべき対象が違う

投資の世界では一般的に、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンと言われているように、高い利益を得ようとするとその分多くの損失を出す可能性もありますが、逆に多くの利益を望まなければその分損失も少なくて済むと言われています。

このことは、別の見方をすれば、ハイリスクを受け入れられるリスク許容度高い人と、それを受け入れることのできないリスク許容度の低い人では投資すべき対象が違うと言えるでしょう。

したがって、投資を行う場合には自分のリスク許容度を知る、ということも非常に重要となります。

■自分のリスク許容度を考えるポイント

リスク許容度を考えるポイントとしてよく言われているのは、(1)年齢、(2)家族構成、(3)資産、(4)年収、(5)経験・知識の5つです。

(1)年齢では、一般的に若い人ほどリスク許容度が高い傾向にあり、また実際にリスク許容度が高くても問題がないと言われています。

それは、若い人であれば、大きな損失が出たとしてもその後の長い人生の中でその損失をカバーするだけの時間が十分にあるからです。

それに対して、例えば定年退職したというようなご年配の方が大きな損失を出してしまった場合、老後の生活が危なくなってきてしまうので、高いリスク許容度を持つべきではありません。

このように、年齢の若い人は株や不動産などのハイリスク・ハイリターンの投資先へ、ご高齢の方は国債などのローリスク・ローリターンの投資先などを選択するべきです。

(2)家族構成については、独身の投資家であれば自由に使える資金が豊富で、また仮に損失を出したとしても自分だけの問題なので高いリスク許容度を持っていても問題はありません。

しかし、結婚して子供ができたりと、家族が多くなると自由に使える資金が少なくなり、かつ、損を出した時に家族にも迷惑がかかってきてしまうため、リスク許容度は低くなる傾向にあります。

また、資産規模や、年収が多ければ多少の損失を出しても気にする必要はないでしょう。そのため、資産や年収が多い人はリスク許容度が高くても問題はありません。しかし、逆に資産もなく、年収も少ない、というような人がハイリスク・ハイリターンな投資に手を出してしまい、大きな損を出してしまった場合にはにっちもさっちも行かなくなってしまいます。

そのため、資産も年収も少ない人はリスク許容度を抑えるべきだと言えます。

最後に、(5)経験・知識については、経験や知識が豊富な人は、それぞれの投資をしっかりと見極めることができるのでリスク許容度が高くても問題はありません。

しかし、素人がハイリスク・ハイリターンな投資を行ってしまうと、何もわからないまま損を出すということになりかねません。そのため、投資経験が浅い時や、知識が足りないという場合にはローリスク・ローリターンの投資先で経験を積むのが良いでしょう。

しばしば投資で失敗して路頭に迷ったという投資にまつわる怖い話を聞きますが、それらは全てといっていいほど、自分がとるべきリスクを見誤ったと言えるでしょう。

そうした過ちを防ぐうえでも、こうした5つのポイントに基づいて、自分のリスク許容度がどれぐらいのものなのか、もしくはどれぐらいのリスク許容度にしておくべきなのかを考えることは非常に大切です。

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