■ポートフォリオ運用とは
ポートフォリオ運用とは、一言で言ってしまえば分散投資をすることを指します。
投資を行う際、投資家は一つの特定の銘柄に全ての投資資金を注ぎ込むべきではなく、株式や債券、不動産、金など様々な金融商品に分散して投資をし、また株式の中でも安定的な株式や不況に強い株、また景気に敏感な株など様々な株式に投資をすることがセオリーだと言われています。
このように、様々な金融商品に分散して投資をして、投資資金を運用していくことをポートフォリオ運用と言います。
■なぜ、ポートフォリオ運用が必要なのか
こうしたポートフォリオ運用が必要だと言われている理由は、ポートフォリオ運用によって安定的な利益を獲得しやすくなるからです。
例えば、ポートフォリオ運用をせず、ある一つの銘柄に投資資金を集中させた場合を考えてみましょう。この場合、その投資をした銘柄の株価が上昇すれば、集中投資をしている分大きな利益を上げることができます。
しかし、逆に、その株価が下落してしまったらどうでしょうか。今度は、集中投資をしていることによって大きな損失を生じさせてしまうことになります。このように、集中投資を行う場合には、当たれば利益は大きいけれども、予想が外れれば大きな損失を出してしまうことにもなります。
こうした集中投資を行った場合とは異なり、ポートフォリオ運用を行った場合には、「ある特定の銘柄の株価が低下してしまっているけれども、他の銘柄は株価が上昇している」とか、「株では損を出してしまっているけれども金への投資では利益を出すことができた」といったことが可能になります。
このように、様々な金融商品に分散して投資をすることによって個々の銘柄の動きに左右されずに安定的な利益を出すことが可能になる、というのが大きなメリットとなります。
■組み合わせる金融商品は値動きが異なるものを
先述したように、ポートフォリオ運用のメリットは、「一つの金融商品の損失を他の金融商品の利益で相殺することができる」という点にあります。しかし、いくつかの銘柄に分散投資をすれば、そうしたメリットを享受できるとは限りません。
金融商品の中には全く異なる値動きをするようなものもあれば、違う金融商品にもかかわらず、類似の値動きをするものもあるからです。そのため、例えば、2つの株式に分散投資をしたけれども、結局は同じ業界だったので同じニュースに反応して株価が変動し、二つとも値下がりと値上がりの時期が同じ、ということにもなりかねません。
そのため、それぞれの金融商品の値動きのくせを理解しておくことがポートフォリオ運用では非常に重要となります。そのため、ポートフォリオ運用を行う場合には、二つの値動きを調べて同じ動きをしてしまっていないかなどをチェックしたり、市場平均との株価の連動性を示す「ベータ値」などを参考にする必要があります。