ファンダメンタルズ分析のメリット

■ファンダメンタルズ分析にはどんなメリットがあるのか

投資の神様ウォーレン・バフェットをはじめとして、「イングランド銀行を破たんさせた男」という異名をもつジョージ・ソロス、そのソロスとコンビを組んでいたこともあるジム・ロジャーズといった世界的にも有名な投資家はいずれもファンダメンタルズ分析を実践して投資をおこなっています。

では、ファンダメンタルズ分析にはどんな魅力があるのでしょうか。ここではそのファンダメンタルズ分析のメリットについて分かりやすく解説をします。

■短期的なトレンドに惑わされずに投資ができる

ファンダメンタルズ分析とは、企業の本来の実力(本質的価値)を見極めて、その実力が過小評価されている企業に投資を行うことで利益を出すという投資手法のことを指します。

この投資手法の前提には、過小評価されている株はいずれその実力が認められて、株価が本質的な価値に近づくと考えられている、ということがあります。

しかしながら、株価がこの企業の本質的な価値といつ一致するようになるのかまではどんな分析をしても分かりません。なぜなら、企業の株価はその企業の実力とはほとんど関係ないような要因にも大きな影響を受けてしまうからです。

例えば、リーマンショック後のように多くの投資家が慎重になっている場合には「割安な株なのは分かっているけど、投資は怖い」と考えてその株が買われないことがあります。

また、ある企業が不祥事を起こした場合には、業界全体への不信感が募り、同じ業界にいる企業の株が全般的に売られるということも起こります。

このように、ファンダメンタルズ分析を行い、過小評価されている企業の株を購入したとしても、何らかの出来事によって短期的には株価が低下してしまうことがあるのです。

こうした短期的な株価の下落は、ファンダメンタルズ分析を行っている投資家にとっては朗報となります。

本来、高い企業価値があるはずの企業の株価が大きく低下していれば、安値で株を購入することができ、将来的に企業本来の価値に株価が近づいた時に売却をすれば利益をだすことができるからです。

投資の神様ウォーレン・バフェットが「株式市場はストライクアウトのないゲーム。全ての球を打とうとする必要はない。好きな球がくるまで待てばよい。」と言っているように、ファンダメンタルズ分析を行い、しっかりと企業価値を把握している投資家にとっては、他の投資家が不安に駆られて株を売っている時こそチャンスとなります。

このように、ファンダメンタルズ分析を行っていれば、より長期的な視点で株を判断することができるので、短期的な株価の変動に惑わされずに冷静に投資を行うことができ、中・長期的な投資で利益を出すことができます。

■取引の手数料が安く抑えられやすい

一つ目のメリットとして、ファンダメンタルズ分析は短期的なトレンドに惑わされず、中・長期的な投資に向いていることを説明しました。

それゆえに、ファンダメンタルズ分析は取引手数料を抑えることができるというメリットもあります。ファンダメンタルズ分析と対比されるテクニカル分析を行った場合、短期的な株価のトレンドを予測し、売買を繰り返すことが多いとされています。

そして、通常は株の取引ごとに証券会社が取引手数料をとっているため、売買を繰り返すほどその手数料がコストととして重くのしかかってくることになります。

しかしながら、中・長期的な投資を行う場合、取引の回数を抑えることができるため、取引コストを安く抑えることができます。

例えば、取引手数料が安いといわれている多くのネット証券では1約定あたり10万円以下で、150円(税込み)の取引手数料が必要となります。

この手数料は株を購入する時だけでなく、売却する時にも必要となるので、利益を確定させるためには2回分の手数料として300円ほど必要となります。

たかが150円や300円だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日10万円以下の株を買いと売りの1往復した場合、1日300~400円、それを年間200日投資を行ったとすれば、年間で6~8万円も手数料がかかっていることになります。

もちろん、短期で売買を繰り返し、手数料以上の利益を出すことができれば問題はありません。しかしながら、中・長期で保有して利益を出す傾向の強いファンダメンタルズ分析は比較的低コストで投資をしやすいというメリットがあるのは間違いないでしょう。

■もちろん、ファンダメンタルズ分析にも落とし穴が

ファンダメンタルズ分析にはこのようなメリットがありますが、もちろん分析をするにあたって注意をしておかなければならない落とし穴もあります。

そこで、他のコラム記事ではそのファンダメンタルズ分析の落とし穴についても説明していますので、そちらもぜひとも参考にしてください。

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