ROA

■ROAとは

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ROAとは、Return On Assetの略で、日本語では総資産利益率と言われる指標で、利益を総資産で割ることで求められます。

この分子の利益に何を使うのかは様々な考え方がありますが、当期純利益を用いるのが一般的です。総資産は資金の出どころが企業自身(株主からの出資や企業自身が稼いだ利益)や他人資本(銀行からの借り入れなどの負債)を問わず、企業が集めた資金の全てを指します。

そのため、ROAは企業に投下された全ての資本をどれだけ効率的に利益に結びつけているのかを判断するために用いられます。

例えば、100億円の利益を生み出す企業が2社存在していて、一方の企業は2000億円の資産を用いており、もう一方の企業は1000億円の資産を用いていたとします。

この時、前者のROAは5%ですが、後者のROAは10%となります。明らかにROA 10%の企業の方が、より効率的に利益を生み出していることも分かります。

■ROAは経営者目線の指標

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このROAと似た指標にROEがありますが、ROEとROAの違いは経営を見る人の立場が違う、と考えると分かりやすいでしょう。

投資家は「それぞれの企業に投資を行うとその金額がどれだけ増えるのか」ということに関心があります。それに対して、経営者は資金の負債や株主からの出資といった資金の出どころに関係なく、企業が保有する資産をどれだけ利益に結び付けることができているのかを重視する必要があります。

例えば、「ROEが高いがROAが低い」ということは株主にとっては自身が投資した金額が大きく増加しているので問題はないかもしれませんが、経営者からすれば企業の効率性を高めるための改善の余地がまだまだあるということを意味しています。

このように、ROAは株主目線のROEとは異なり、経営者目線の企業全体の効率性を見る指標と言えます。

■投資でROAをどう活かすか

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ROA単独で投資の判断を行うというよりは、ROEやPERなどの他の指標と組み合わせることが必要となります。

ROAは企業が決算の数値としてすでに発表しているものであるため、多くの場合は株価にすでに反映されいることが多いといえます。

そのため、株の割安感を測る指標と組み合わせて、割安と言われているPERが低い企業の中から、ROEやROAといった経営の効率性の高い企業を選ぶ、といったように複数の指標を組み合わせて、総合的に判断をすることが必要となってきます。

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