孔子に学ぶトレード学

孔子は紀元前552年に生まれた中国の思想家である。

儒教の祖として多くの人に尊敬される人物だ。

孔子の教えをまとめた書物には「論語」がある。

論語に記された名言の中から、株式投資にも応用が利くものを抜粋していく。

【名言】

  • 学びて思わざれば、すなわちくらし、思いて学ばざれば、すなわちあやうし

本を読みあさるだけとなり、自分の思慮が欠けるのはいけない。

また自分の思慮だけとなり、本から学ぼうとしないのは独断的になってしまう。

本を読むだけや、自分の考えだけで行動することは危険だということ。

学びと考えの両方がそろって完璧といえる。

株式投資でも、本を読むだけで実際に投資しようとしない人がいる。

いくら本を読んでも、経験を積まなければ一向に上達はしない。

車の運転練習と同じであろう。

学ぶだけにとどまらず、経験も積んでいきたいものだ。

  • 過ちて改めざるを、これ過ちという

人はだれでも過ちを犯すが、過ちを犯したことに気づきながらもそれを改めようとしない、これこそが本当の過ちである。

過ちに気づいたならば、それをチャンスに変えるべきだ。

株式投資は、投資判断を間違えたときに塩漬けを作ってしまう。

だれにでも起こりうる現象なので珍しくはない。

大切なのは、塩漬けを処分できるかである。

過ちに気づいた時点で舵を取り直そう。

  • 君子は道を謀りて、食を謀らず

偉大な人間は道を選ぶとき、目先の利益などには目もくれないものだ。

株式投資で成功を収めた人物に「ウォーレン・バフェット」がいる。

彼の投資スタンスは長期投資だ。

短期間の株価の上下は気にしない。

自分の目標はもっと遠くにあるからだろう。

目先の利益にこだわらない寛容さが表れている。

  • 何事も楽しんでやりなさい。楽しんでやることで、思わぬ力が発揮されるものなのだ

物事楽しんで取り組むことで意欲が上がる。

つまらないものや苦痛に感じることでも、楽しんで取り組む工夫が大切である。

株式投資も然りだ。

ときには損することもあるだろうが、長い道のりの一端にすぎないと考えればよいだろう。

  • 速やかならんを欲するなかれ、小利をみるなかれ。速やかならんを欲すればすなわち達せず、小利を見ればすなわち大事成らず

早く成果を出そうと焦ってはいけないし、目先の利益を追ってもいけない。早く成果を出そうと焦っては物事を誤り、目先の利益を追っていてはついに大事を成すことは無い。

大事を成し遂げたければ、目標に向かって着々と取り組むことだ。

目先の事で右往左往してはいけない。

株式投資にも同じことがいえる。

短期間で儲けたいからといって、全力投資などムチャな投資を行っては、痛い目をみるだろう。

近道が近道とは限らないのである。

  • 宝石は磨かなければ光らない。人は試練がなければ完成しない

目の前に壁があっても気落ちすることはない。

壁を乗り越えるからこそ、人間は進歩していくのだ。

株式投資でも、不調に陥り全く利益が出せないことがあるかもしれない。

そのような局面は上達へのチャンスと考えると良いだろう。

  • 生来、人間の能力に大差はない。その後の精進によって、大きな違いが生まれる

スタート地点は皆一緒だ。

その後どれだけ走ったかは人によって違う。

努力次第で大物にも小物にもなる。

株式投資で成功を収めた偉人も、スタートは初心者だった。

どれだけ走るか決めるのはあなた自身だ。

  • 知らざるを知らずとなす、これ知るなり

知らないことを知らないと自覚する、それが本当の”知る”ということ。

世の中、知らないことであふれている。

株式投資も最初は知らないことだらけだ。

それは恥ずかしいことではない。

自覚があればいいのだ。

  • 剛毅木訥、仁に近し

仁の心であふれた者は、口数が少ない。

反対にべらべらとしゃべる者は、本心がわからない。

株式投資の世界では、成功者を装う者がいる。

教材を高額で販売するためだ。

「私はこのようにして成功した」などと能書きを垂れているが、実に怪しいものである。

真の成功者はそうやすやすと語らないものなのだ。

  • 君子もとより窮す、小人窮すればここに濫す

人の上に立つ者は常にぎりぎりのところで戦っている。だからピンチに陥っても悠然と構えていられる。一方で、並みの人物がピンチに陥ると慌てふためく。すなわち危機的状況は器量を試されるわけだ。

株式投資でも危機的状況は訪れる。

暴落相場がその一例だ。

大きな値動きに対して、つい感情的な売買をしてしまいがちだが、そんなときこそメンタルをコントロールする腕前が問われるのだ。

  • 学べばすなわち、固ならず

学問によって、視野が広がり、柔軟性が身に付く。故に己の頑固さがとれる。

株式投資を我流でやっている方はいないだろうか。

新たな手法を探求することは良いことだが、最低限の知識は是非とも学んでほしい。

先人の知恵が詰まっているからだ。

また既に基礎知識を身に付けた方も、復習がてら見直す機会を作ることで新たな発見があるかもしれない。

  • 怒りを遷さず

怒りの感情を他人に向けるな、八つ当たりするなという意味である。

株価の動きが思惑通りにいかないと、つい感情的になりがちだ。

そのようなときに八つ当たりしてもしょうもない。

売買よりも感情をコントロールできなかったことに対して反省したいものだ。

  • これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのに及ばない。

何事も楽しんでやることが肝心だ。

もし、株式投資をつまらないと感じているならば、止めたほうがいいかもしれない。

楽しんでやっている者には勝てないからである。

  • 人、遠き慮なければ、必ず近き憂いあり。

遠い将来を考えない者は、必ず急な心配事に悩まされる。目先のことばかりにとらわれてはいけない。

株式投資においても、明日勝てるかよりも十年後まで勝てるか考えたほうが良い。

明日が通用しても、そのまた明日も通用するとは限らないからだ。

  • 三たび思ひて後これを行う

物事は三回考え直してから着手する。

熟考することで失敗を減らせるからだ。

株式投資も、熟考したほうが失敗する回数を減らせるだろう。

【終わりに】

孔子の名言はいかがだっただろうか。

客観的な名言が多く、目先の物事にとらわれない。

そんな名言が多かったように思う。

是非、株式投資に活かしていただきたい。

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