【移動平均線を使ってトレードしてみよう!】
口座開設をしたけれど「どうやって売買したらよいかわからない。」という方のために、最もポピュラーな投資法である移動平均線を用いた売買の仕方を説明していきます。
また初心者に限らず、最近トレードの調子が思わしくないという方も1度原点回帰してみてはいかがでしょうか。
“初心忘れるべからず”とはよくいったものです。
【移動平均線とは】
まず移動平均線とはどんな指標かおさらいしていきましょう。
移動平均線とはn期間の終値を平均したものです。
例.3日移動平均線→3日間の終値の平均
1日目の終値:500円
2日目の終値:600円
3日目の終値:700円
(500+600+700)÷3=600円
この例の現在の移動平均線は株価600円となりました。
移動平均線はチャート上に表示され、日足・週足・月足を問わず使用されます。
例.
日足→25日移動平均線
週足→13週移動平均線
月足→12ヶ月移動平均線
【移動平均線の特性】
移動平均線の特性の1つ目は”株価は移動平均線に沿って動く”というものです。
上昇・下落を問わず、株価が移動平均線から離れた際、移動平均線に戻ろうとする特性がみられます。
株価は人間が形成していますが、極端な株価というのは適正価額ではないため、居心地が悪いのです。
移動平均線はその適正価額の1つの基準となるため、このような現象が起こるのです。
移動平均線の特性の2つ目は”株価は移動平均線の向きによって上昇か下落かが決まる”というものです。
移動平均線が上を向いていれば株価上昇が期待され、下を向いていれば株価下落が見込まれます。
これは1つ目の”株価は移動平均線に沿って動く”に通じてきます。
移動平均線が上に向かって推移しているのならば、くっついて動く株価も上に向かっていこうとします。
反対に移動平均線が下に向かって推移しているのならば、くっついて動く株価も下に向かっていこうとします。
まるでクジラとコバンザメの関係のようですね。
【順張りと逆張り】
移動平均線を用いた売買には《順張り》と《逆張り》の2つがあります。
まず《順張り》ですが、《順張り》はトレンドに従って売買することを指します。
例.
移動平均線が上昇トレンド→新規買いを仕掛ける。
移動平均線が下降トレンド→新規売りを仕掛ける。
移動平均線の向きに対して忠実に売買をしていきます。
次に《逆張り》ですが、《逆張り》はトレンドに逆らって売買することを指します。
例.
移動平均線が上昇トレンド→新規売りを仕掛ける。
移動平均線が下降トレンド→新規買いを仕掛ける。
移動平均線の向きに対して真逆に売買をしていきます。
通常は《順張り》を用いた売買を基本としますが、株価と移動平均線が大きくかけ離れている状態である”高乖離率”の場合は《逆張り》を用いることもあります。
【順張りの仕掛け方】
《順張り》と《逆張り》の違いを確認したところで、今回は《順張り》の仕掛け方について焦点を絞って紹介していきます。
*《順張り》を新規買い目線で説明していきます。
《順張り》の特徴はなんといってもすぐに利益がのりやすいという点にあります。
株価の上昇途中で買うわけですから、トレンドが反転しない限り大損することはありません。
仕掛け前チェックポイント
- 移動平均線が上向きである。
- 株価が移動平均線の上に位置している。
- 長期移動平均線の上に短期移動平均線が位置している。
まず「1.移動平均線が上向きである。」ですが、これは上昇トレンドであることを確認するためです。
《順張り》での新規買いの仕掛けは上昇トレンドで行います。
次に「2.株価が移動平均線の上に位置している。」ですが、1で上昇トレンドであることを確認しても、株価が移動平均線の下に位置している場合は危険です。
移動平均線は株価の”平均値”を採用しているため、株価より動きが遅いのです。
そのためいくら上昇トレンドであっても株価が移動平均線の下に位置している場合は下降トレンド入りを疑わねばなりません。
最後に「3.長期移動平均線の上に短期移動平均線が位置している。」ですが、この条件も整っていることが望ましいです。
長期移動平均線の下に短期移動平均線が位置している場合は、長期移動平均線が上値抵抗帯になってしまうからです。
長期移動平均線をすぐに上抜ければ問題ないのですが、なかなか突破できずにいると下降トレンドへ転換してしまうかもしれません。
チェックポイントを抑えたところで実際のチャートで条件に当てはまる銘柄を探してみました。
上図は「(9984)ソフトバンクグループ」の日足チャートです。
*赤のライン=5日移動平均線。緑のライン=25日移動平均線。
チェックポイント3つの条件をクリアしています。
しっかりとした上昇トレンドであるため、新規買いを仕掛けるには絶好のチャンスです。
すぐに仕掛けても問題なさそうですが、株価と25日移動平均線の乖離が少しあるため、乖離が収まったところを狙った方が安全そうです。
乖離が収まった後に、なおも株価下落が止まらないようであればチェックポイント2をクリアできない可能性がありますので、その場合は見送った方が賢明といえるでしょう。
ここで1つ練習問題を出題します。
上図は「(7203)トヨタ自動車」の日足チャートです。
*赤のライン=5日移動平均線。緑のライン=25日移動平均線。
この後の株価の動向を予想してみてください。
上昇するでしょうか、はたまた下落するでしょうか?
チェックポイントを確認してみればおのずと答えがみえてくるはずです。
正解は”株価上昇”でした。
まずチェックポイント1の「移動平均線が上向きである。」ですが、5日移動平均線はすぐに上向きだとわかります。
25日移動平均線は判別しづらいですが、よくみるとわずかに上向きであることが確認できます。
続いてチェックポイント2の「株価が移動平均線の上に位置している。」ですが、出題図の最終日は立派な陽線で株価が移動平均線の上に位置しています。
最後にチェックポイント3の「長期移動平均線の上に短期移動平均線が位置している。」ですが、出題図の最終日には既に短期移動平均線と長期移動平均線の《ゴールデンクロス》が完了しています。
この例題のように必ず株価が上昇するわけではありませんが、移動平均線を使ったトレードは有効であるといえるでしょう。