【移動平均線を使ってトレードしてみよう!】
投資を始めたばかりでどのように売買してよいかわからないという方は、まず移動平均線を使った売買を行うとよいかもしれません。
何故なら指標が簡潔で覚えやすいですし、何より視覚的で見やすいからです。
移動平均線を使った売買は基本戦術なのですが、初心者に限らず上級者や投資のプロにまで幅広く使われています。
つまり、使いやすいながらも立派に通用する戦術なのです。
本ページでは移動平均線を使ってどのように利益を上げるのか、具体的に説明していきます。
【移動平均線とは】
まずは移動平均線のおさらいからしていきます。
移動平均線とはある一定期間の終値平均を表した指標です。
例.5日移動平均線→5日間の終値の平均
1日目の終値:1,000円
2日目の終値:1,100円
3日目の終値:1,200円
4日目の終値:1,300円
5日目の終値:1,400円
(1,000+1,100+1,200+1,300+1,400)÷5=1,200円
この例の現在の移動平均線は株価1,200円となりました。
【移動平均線の特性】
移動平均線の特性の1つに”株価は移動平均線に沿って動く”というものがあります。
例え株価が下落中にあっても移動平均線から離れると戻ろうとする働きが生じます。
この働きを”リバウンド”といいます。
株価が移動平均線から離れていればいるほど、リバウンドも大きくなる傾向にあります。
例.
移動平均乖離率-5%→リバウンド小
移動平均乖離率-10%→リバウンド大
このリバウンドを狙った買い仕掛けのことを《逆張り》といいます。
今回は移動平均乖離率を用いた《逆張り》にスポットをあてて、どの程度乖離していれば利益を上げやすいか追求していきます。
【移動平均乖離率を検証】
まずは検証するにあたって9パターンの検証材料を用意しました。
移動平均線は5日線・10日線・15日線の3つを用意し、乖離率は-5%・-10%・-15%の3つを用意しました。
手仕舞い条件は一律「建て値+5%または建て値-5%に達した場合か、保有日数が10日経過した場合」とします。
この全9パターンの内、どこが最も期待値が高いのか探っていきます。
【期待値とは】
1取引当たりの期待できる損益のことです。
期待値が正であれば資産は徐々に増えていき、負であれば資産は徐々に減っていきます。
例.
期待値+1%→資産が増えていく
期待値-1%→資産が減っていく
期待値が何か確認したところで検証結果をみていきましょう。
検証期間は2000年1月4日~2015年10月30日までです。
結果は一目瞭然となりました。
5日移動平均線の乖離率-15%が断トツで期待値が高いです。
この結果から短期間かつ大幅な株価下落の後には、大きなリバウンドが起こることがわかります。
ちなみに5日移動平均線の乖離率-20%も検証してみたところ、より期待値が上昇しました。
ただし検証期間15年に対し、取引回数はわずか796回に留まったため、なかなか売買チャンスが訪れないかもしれません。
【まとめ】
- 移動平均乖離率を用いた逆張りは期待値プラスの有効な戦術である。
- 短期移動平均線かつ高乖離率であると期待値は高まる。
- 期待値の高い取引チャンスは数少ないため、期待値と取引回数のバランスを考えることが重要。