EPS(1株当たり利益)とは1株に対して何円相当の当期純利益があるかを表した指標です。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数
例.当期純利益が100万円で発行済み株式数が1万株の場合。
EPS=100万÷1万
EPS=100
この例ではEPS100円となりました。
EPSは大きいほどよく、企業が稼いでいることを表します。
業績好調による増益によってEPSを上げるのが1番望ましいですが、発行済み株式数を減らすことでもEPSを上げることができます。
発行済み株式数を減らすには《自社株買い》と《株式併合》の2つがあります。
◆《自社株買い》◆
《自社株買い》とは上場企業が市場に流通している自社の株式を買い戻すことです。
これは主に株主への還元対策として行われているため、株主にとっては好材料となります。
因みに《自社株買い》後の行動には2つあり、買い戻した株式を処分してしまう「株式消却」と買い戻した株式を保有し続ける「金庫株」というものがあります。
どちらも市場に流通している株式が減ることには変わりないため、1株当たりの価値は上がります。
しかし金庫株の場合は将来的に売却の恐れがあるため、株式消却の方が株主にとっては好感触といえるでしょう。
◆《株式併合》◆
《株式併合》とは複数の株式を1株に統合することです。
例えば2株を1株に併合すると併合比率は2:1で発行済み株式数は半分になり、株価は2倍に調整されます。
理論上、株式の1株当たりの価値に変化はありません。
株主にとって《株式併合》は特にメリットがありませんので、この方法によりEPSが上がったとしても市場の反応はあまりよくないでしょう。
EPSが上がった際にはどのような理由で上がったのか、よく調べてから投資の判断をしたいものです。