配当権利落ちとは株主が企業から配当を受け取る権利が落ちることです。
また配当権利落ちする日のことを「権利落ち日」といいます。
配当を受け取るためにはこの権利落ち日の寄り付き前の時点で株式を保有している必要があります。
ですから権利落ち日に株式を購入しても配当を受け取ることはできません。
配当を受け取るには前営業日までに株式を購入したあと、売却せずに権利落ち日に持ち越すことで権利を獲得できます。
この前営業日のことを「権利付き最終日(権利取り日)」といいます。
権利付き最終日以降は株式をいつ売却しても構いません。
配当が受け取れるか受け取れないかは権利落ち日に事実上確定するのですが、実際にはその2営業日後の日付で確定します。
この日のことを「権利確定日」といい、ここに株式の受け渡し日が関連してきます。
受け渡し日とは売買が約定してから3営業日後の決済する日のことをいいます。
株式の取引は近年でこそ電子化されていますが、昔は紙面上でやりとりしていたのです。
取引成立後、紙面の株式が手元に届くまで3営業日要したことが名残りとなり、配当を受け取る際にも権利付き最終日から3営業日後が権利確定日となるのです。
上図は配当を受け取るまでの流れを表したものです。
この図を用いて例を説明していきます。
権利付き最終日である3日の火曜日までに株式を購入し、売却せずに翌営業日まで持ち越します。
翌営業日である4日の水曜日は権利落ち日ですから事実上配当を受け取る権利が確定します。
4日以降であればいつ売却しても配当は受け取れます。
そして6日の金曜日に実際に配当を受け取る権利が確定します。
また祝日を挟む場合は権利落ち日が翌週にずれることがありますので注意が必要です。
上図のような状況である場合、権利落ち日は翌週にずれることになります。
配当を目的とした投資を行う際はいつ権利落ち日になるのかよく確認して売買したいものです。
【配当権利落ち日の豆知識】
配当をもらわなくても知っておきたいことが一つあります。
権利落ち日の《ストップ高・ストップ安》の判定です。
権利落ち日は株価から配当金相当の金額が差し引かれ、《値幅制限》もその後の株価を採用します。
例1.A銘柄の株価:3月30日300円。配当金は10円で権利落ち日は3月31日である。値幅制限は±80円。
例1の場合、3月31日の《値幅制限》は株価300円から配当金の10円を引いた株価290円を基準にします。
《値幅制限》は±80円ですから、ストップ高は370円、ストップ安は210円になるわけです。
権利落ち日と知らずに取引すると、ストップ高は380円、ストップ安は220円と勘違いを起こしかねないので十分に注意しましょう。
なお権利確定日でなく、権利落ち日である点にも注意が必要です。