ROA(総資産利益率)とは「Return On Asset」の略で、純資産に負債を合わせた総資産がどの程度効率的に運用しているかを表す指標です。
業種にもよりますが一般にROAが5%以上であれば優良企業といえます。
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
また似ている指標にROE(株主資本利益率)というものがありますが、こちらは負債を含まない純資産がどの程度効率的に運用しているかを表す指標となります。
ROE(%)=当期純利益÷株主資本×100
この負債が考慮されていないROEだけで投資判断を行うと財務の健全性がみえず危険なため、負債が考慮されたROAを合わせて活用します。
ここでROAとROEの関係性をみていきましょう。
◆「高ROA・高ROE」の場合
非常に収益性の高い優良企業といえます。
財務が健全で投資対象にしやすく、もし今の株価が割安であるなら他の指標も確認したうえで購入を検討してもよいかもしれません。
◆「高ROA・低ROE」の場合
無借金経営の企業にありがちで財務の健全性は評価できますが、株主資本は効率良くつかえていません。
◆「低ROA・高ROE」の場合
設備投資がかかる製造業などに多くみられ、借り入れ金が大きいため低ROAになりがちです。
金利上昇などの景気の影響を受けやすく、リスクの高い経営スタイルといえます。
◆「低ROA・低ROE」の場合
資産が有効に活用できておらず収益性が乏しい企業です。
外食産業などの薄利多売な経営に多くみられます。
以上4つのパターンをみていきましたが、必ずしも「高ROA・高ROE」の優良銘柄の株価が上昇するというわけではありません。
というのも「高ROA・高ROE」の優良銘柄は誰もがほしがる銘柄なわけですから、既に株価は割高であることが多いのです。
そういった点では「高ROA・高ROE」の優良銘柄は企業の成長性や株価の伸びしろを考えると投資妙味に欠けるかもしれません。
少々のリスクをとっても割安な銘柄に投資したほうが将来的にはおもしろいといえるでしょう。