株式市場は日々異なった様相を見せ、それだけにどこで買ってどこで売ればいいのか、最初の内は迷うものです。
売買のタイミングというのは利益・損失に直結してくるため、投資において非常に重要なポイントの1つだと言えるでしょう。
そこで今回は「どこで買えばいいか?」という疑問を解決するヒントになる、格言を見ていきましょう。
■「ショック安こそ最大の買い場」とは
「ショック安」とは、株式市場が織り込んでいなかった悪材料が出てきたことで、株価が暴落することを指す言葉です。
古くは1929年の世界恐慌に始まり、1971年のニクソンショック、そしてバブル崩壊やリーマンショック…というように、株式市場は過去に多くの暴落相場を経験してきました。
そしてその暴落に巻き込まれ、投資資金を一気に失い退場、更には信用取引をしていたため借金まで負うことになってしまった、という個人投資家の事例も枚挙にいとまがありません。
「ショック安こそ最大の買い場」という言葉は、そういった暴落相場こそが天与の買いタイミングである、ということを意味するものです。
大きな下落相場では売りが売りを呼ぶ展開となり、追証の発生による強制決済や相場心理の悪化により必要以上に株価が下がることがあります。
またその下落要因に全く関係のない銘柄さえも下げる展開となることが多く、虎視眈々とその暴落を予想し、前もって大きく値下がりしたところで買う計画を立てている投資家たちも存在します。
例えば、過去のショック安の事例である2008年に起きたリーマンショックを見てみると、米国株式市場は2008年の終わりにかけて大きな下落相場となるも、その後は大きな上昇トレンドを描いています。
(NYダウ 月足チャート)
チャートだけを見れば、リーマンショックという暴落相場は「ショック安こそ最大の買い場」という格言通り絶好の買いタイミングであったと言えます。
一例だけを見てその考え方を妄信するのは危険ですが、あらかじめ大きな下落に対しどう行動するかを想定しておくことは重要な意味を持つでしょう。
■その銘柄の暴落はショック安に関係あるのか?
暴落相場では一気に相場の心理状態が悪化するため、「もっと下がるんじゃないか」「これはやばいのではないか」と考える投資家の売りが殺到します。
またアルゴリズムによる機械的な売り、そして追証による強制決済などで業種・市場に関係なく多くの銘柄が値下がりすることがあるのがショック安相場です。
しかし考えてみると、例えばアメリカ発の経済不安によるショック安が起きたとしても、日本の会社がその影響をどう受けるか、というのは銘柄や業種によって異なってきます。
市場が全面安の中でもプラスで推移している銘柄は買い、ということを意味する「暴落相場の赤札銘柄は買い」という言葉もあります。
ショック安というのは急に起こることではなく、何らかの前兆があり、それが一気に表面化することによって起きるものです。
前もって市場に疑いの目を持ち、どんな動きにも対応できるようにしておくことで、急な下げにもある程度冷静に動くことが出来るでしょう。
またそういった下落相場では下げているのをいいことに空売りを行うトレーダーも必ず出てきます。
空売りの買戻し、またはその空売りの踏み上げとなるような上昇を後からする銘柄もありますので、やはり予めリサーチしておくことが大事になります。
■1つの考え方に固執することは危険
しかし暴落に関する考え方には、大きな売りに対して逆張りをすべきではないとする「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言や「二番底を試す」というものもあります。
また損をしたからといってムキになって買い向かうことは絶対に避けなければなりません。
前述したように、大きく下げているから買い場と考えるのではなく、あくまでもそれは1つの視点として見ておくことが大事でしょう。
結局はそれまでに積み上げてきた経験や考え方がものをいうと言えます。
相場の中で常日頃から先の動きを自分の頭で考えて備えておくことが重要であると言えるでしょう。