株式投資では、儲かっている人の割合が1割、損をしている人の割合が9割と言われたりします。
実際にこれを示すデータなどが明確に示されているわけではありませんが、プロに比べて個人投資家は情報力・判断力などで劣ることが1つの理由とされています。
また明確な理由なしに適当な感覚で売買を行ってしまう投資家が多いのもその原因であると言えるでしょう。
株式市場で長く勝ち残っていくためには、それ相応の努力が必要になるということです。
■「損せぬ人に儲けなし」とは
「損せぬ人に儲けなし」という言葉は、「損を怖がっていては儲けも出ない」という意味を表しています。
経験が浅い人からプロ級の人まで多くの投資家が存在しますが、どんなにスキルの高いトレーダーでも損切りを一度も行わない、一度も損を出したことはない、ということはまずありません。
多くの投資家がよく分からない中で売買を行い、そして徐々に経験や知識を積み重ねていく過程で段々と自分なりの勝ち方を身に付けていくようになるのです。
そういったプロセスの中で勝ち残っていくトレーダーは損から何かを学び、次に活かす努力を重ねていくわけです。
本当に学習効果を得たいならタダで学ぶよりも、身銭を切ることでより理解や学習意欲が高まると言われています。
言い換えてみれば、株式投資における損失もいい授業料として次に活かすという考え方を持てば有意義なものに出来るでしょう。
株式投資を始めたばかりのときにビギナーズラックで勝ったとしても、それがただの偶然であれば大した意味はありません。
そう考えると、むしろ初心者の内に損をして学んでおく方が逆に良いことと言えるかもしれません。
■負けることがダメなのではない
株式投資においては、多くの投資家がなるべく損を出さず利益を大きくしたいと考えます。
確かにその考え方は大事なのですが、損失を出したり負けたりすることはそこまで問題ではありません。
損小利大を達成するためには損や負けから何を学び、そしてそれを次にどう活かすかが当然ながら重要となるのです。
「損せぬ人に儲けなし」という言葉にもそのような意味合いがありますが、損が出るリスクを許容しつつも、どうやったらリターンを得られるか試行錯誤していくことが大事なのでしょう。
さて当然ながら、この「損せぬ人に儲けなし」という言葉は損失を出すことを正当化する言葉ではありません。
株式投資を行っていると自分の都合の良いように損失や利益を捉えがちですが、相場の世界では主観を排除し、客観的かつ機械的に取引を判断することが必要です。
投資をしていく上でマインドやメンタル面での考え方を改善していくことは日常生活の向上にも繋がる観点と言えるでしょう。
■勝率よりもトータルの利益が大事
「損せぬ人に儲けなし」という言葉は、取引において儲けるためにはある程度の損失は許容せよという意味の言葉でした。
これに関連する言葉としては「リスクリワード」というものがあります。
やや聞きなれない「リワード」という単語ですが、これはリスクを表す「損失・危険性」の対極にある「利益・収益」という意味で捉えてよいでしょう。
リスクリワード比は、そのまま損失と利益の比という意味になり、リワード(利益)÷リスク(損失)と表すことができ、例えばリスクリワード比が3なら、利益が損失の3倍という意味になります。
トレードにおいては勝率も重要ですが、それよりも大事なのはトータルで利益が出ているか、つまりリスクリワード比が1を超えているかということなのです。
小さく何度か勝っていても1回の取引で大きな損失を喰らってしまう「コツコツドカン」という言葉は相場の世界において有名です。
ここまで見てきたように、自分のルールに沿ったトレ―ドが狙い通りにいかず損してしまうことはそこまで問題ではありません。
その損失を利益に対していかに小さくできるか、そしてその損失を次にどう活かせるかということが重要なのです。