■含み益を抱えている幸せな人へ
現在、含み益が出ており、「もう利確してしまおうか」とか、「それとも、買い増しをしてさらなる利益増を目指すのか」といった贅沢な悩みを持っている投資家の方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな贅沢な悩みを抱えている投資家の方にこそ頭の片隅に残しておいて欲しい格言を紹介します。
■勝って兜の緒を締めよ
その格言とは、「勝って兜の緒を締めよ」という格言です。
この格言は何も投資の世界だけで使われているものではなく、一般的にもことわざとして用いられているので、ご存知の方も多いでしょう。
この「勝って兜の緒を締めよ」は、一般的な意味としては、戦いに勝利をおさめと思い、兜を脱いだ時に、突如として敵が襲い掛かってくるとも限らないため、勝ったとしても油断をせず、さらに用心を重ねなさい、という意味です。
このことわざを投資の世界に当てはめて考えれば、「含み益が出ているからといって調子に乗ってはいけない。含み益が出ている時こそ、今後の動向を用心深くしっかりと分析して見極めようとすることが大事だ。」ということになるでしょう。
■株の買い増しには要注意
自分が買った株が値上がりし、大きな含み益が出ている時には「やっぱり俺の判断は間違ってなかった。この株はもっと上がるぞ。きっとまだまだ値上がりするはずだから、今買い増せばさらに大きく儲けられる。」などとついつい楽観的に考えてしまいがちです。
しかし、どんな銘柄であったとしても株価が永遠と上昇し続けるということはありません。いつかは株価の天井を迎え、株価が下落する時が来ます。
つまり、株価がどんどんと値上がりしているという状況は、別の見方をすれば、株価が下落するその瞬間に刻一刻と近づいているということも意味しています。
そのため、値上がりした株を見て、調子に乗ってさらに買い増すという行為は、（１）最初に投資をした時よりも株価が下落する可能性が高い時期に、（２）値上がり幅が少ない株に投資をしていることになります。その結果、株を買い増した直後に株価が下落して、結局含み損を抱えてしまった、という泣くに泣けないことになりかねません。
このような状況を避けるためにも、含み益が出ている際にはぜひとも「勝って兜の緒を締めよ」という言葉を思い出し、安易に株を買い増すのではなく、「天井を迎えるのはいつか」、また「天井を迎えるとすれば、それはいつ頃なのか」といったことをしっかりと考え直すことが重要です。