人の行く裏に道あり花の山

■行列のできる店に並んでしまっていませんか?

初めて訪れた街をぶらぶら歩いていて、「そろそろお腹が空いたなあ」なんて思った時にふと前に行列ができているお店とガラガラで全くお客さんが入っていないお店が並んでいるのを見つけた場合、あなたならどちらのお店に入りますか?

おそらく、多くの人が選ぶのは行列ができているお店ではないでしょうか。「行列ができているということはそれだけおいしいお店に違いない」だとか、「横のお店はガラガラなのに誰も入ろうとしないということはきっと不味いに違いない」だとか考えるのではないでしょうか。

たしかに、食事のお店選びという点ではこうした考えは間違いではありません。しかし、こと投資の世界になるとこの考えは危険です。今日は、その危険性を説く格言「人の行く裏に道あり花の山」を紹介します。

■「人の行く裏に道あり花の山」とは

投資の格言「人の行く裏に道あり花の山」とは、そのまま直訳すれば、「多くの人が行く道とは違う道にこそ綺麗に咲く花がある」というような意味になります。これを投資の世界に当てはめれば、「他の人が投資をしている銘柄とは違う銘柄にこそ良い銘柄が眠っている」ということになります。

先ほどの食事のお店選びと同様に、私たちはどうしても他の人の行動に乗ってしまいがちです。これは初めて訪れた街でのお店選びのように、何も情報がない所からそこそこ良い判断をするといった場合には非常に合理的ではあります。

しかしながら、投資の世界ではむしろ逆の行動をとるべきなのです。「多くの人が注目し、投資をしている」ということは、すでにその銘柄は買われ、割高となっている可能性が高いことを意味しています。そのため、話題になってからその銘柄に投資をしていては遅すぎるということになるのです。

実は、この格言と同じことは古今東西の至る所で言われています。例えば、投資の本場、アメリカのウォール街では「人が売る時に買い、人が買う時に売れ(Buy when others sell, Sell when others buy)」と言われています。このように、投資の世界では他の投資家を同じ行動を取ることは悪手だとみなされているのです。

■じっくりと裏道を探すべし

では、実際にはどうすればよいのでしょうか。一つアドバイスがあるとすれば、「今は誰も注目をしていないけれど、今後注目されそうな銘柄」をじっくりと探すことでしょう。

「休むも相場」という格言があるように、常に株を売り買いしていれば良いというものではありません。自分がひそかに注目をしていた銘柄が、自分が買う前に注目を浴びて、株価が上昇してしまった時には「この流れに乗り遅れてはダメだ」などと焦って買いに走る必要は全くないのです。

そんな時こそ「人の行く裏に道あり花の山」という格言を思い出し、他の人が見向きもしていない割安な銘柄をじっくりと探す心のゆとりを持つことが必要です。

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