行き過ぎもまた相場

株価というのは日々上下に動きますが、最終的には業績や財務などのファンダメンタルズに沿った価格水準に収束するとされています。
何か材料となるニュースが発表されたり、相場が過熱すると株価が高騰することも多々ありますが、そういった場合でもしばらくすると株価は下がってきて上昇前の価格に戻ることがよくあります。
株価が大きく変動し過ぎることを「オーバーシュート」と言ったり、過熱し過ぎた相場を「バブル相場」と言ったりすることがありますが、そのような実勢値と大きく乖離した株価を客観的に見ることで利益を出せる場合があります。

■「行き過ぎもまた相場」とは

「行き過ぎもまた相場」とは、先に見てきたように株価は何らかの原因によって大きく変動することも可能性としてあり得るという意味になります。

株価が大きく動くと、その値動きを見たデイトレーダー達が参加することで出来高が増え、需給のバランスが崩れることでこれまでと異なる株価の推移を示す事例も非常に多いです。
またその銘柄にとって大きくプラスになるような好材料のニュースが発表されると、期待買いや仕手筋による大きな買いが入ってファンダメンタルズとは乖離した株価になることもよくあります。

上のチャートはある銘柄の日足チャートです。
ある日を境に出来高が急増し、株価が高騰しているのが分かると思います。
しかしその後はストップ安などの急落を繰り返しほぼほぼ元の株価に戻っていますよね。

「行き過ぎもまた相場」ということを意識していないと、急騰時に「これは上がり過ぎ」と安易に考えて空売りを入れてしまい大やけど…というケースも考えられます。
こういった株価推移のときは、短期の需給がどうなるかを読むことが非常に重要になってくると言えるでしょう。

■バブル相場はほぼ必ず崩壊する

株価が上がり過ぎ、または下がり過ぎているときに「この株価推移はやりすぎなんじゃないか」と多くの人は考えると思います。
しかし「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という言葉が示すように、株価が上がって利益が出ているときは多くの人は先行きについて楽観的になってしまうことがあると言えるでしょう。
「まだ上がり続けるのではないか」と考えた投資家が後から追随買いを行い、そして必要以上に膨れ上がっていた株価は暴落します。
特に仕手株や短期筋の急騰マネーが入っているような銘柄や金融商品は必ずといっていいほど暴騰の反動が来ます。

個別銘柄については、あえて挙げるとするならば、移動平均からの乖離率が異常に高い銘柄はよほど自信がない限り触らない方が良いでしょう。
(乖離離率の具体的な数値については、Yahoo!ファイナンスのページ等から確認することが出来ます)
中でも25日移動平均乖離率が50~60%越えとなってきているものは更に警戒したいですね。
逆に言えば、そういった銘柄がどういった値動きをするのか、売買をせずに予想をしてみることで相場観が磨かれるかもしれません。

■行き過ぎ相場で避けたいこととは

株価がオーバーシュートしてしまう「行き過ぎ相場」では、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
まずは株価が高値圏にあるバブル相場では、とにかく高値掴みしないように留意すべきです。
上げるときはじわじわ時間をかけて上げていくも、下がるときは一瞬だったりします。
「登り百日、下げ十日」という相場格言もあるように、株価は下がる速度の方が一般的に早いことが多いです。
「もっと上がるだろう」という楽観的な姿勢のみで買いを入れ、急落に動揺してしまい対応できない、ということは避けたいですね。

また株価は突然暴落し、下方向に大きく振れるというケースもあります。
株価が必要以上に下落した暴落相場こそ買い場だ、とする「ショック安こそ最大の買い場」という言葉もあります。ただ単純に下がったから買いとすると、二番底に対応できず痛手をくらってしまう可能性も十分考えられます。

株価が上下どちらかに大きく動く「行き過ぎ相場」が起こったときに慌てて売買を行うのは危険です。
前もってどんな動きをしてもいいよう、自分でシミュレーションを行っておくのが良いと言えるでしょう。

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