■「高値おぼえ、安値おぼえ」とは
「高値おぼえ、安値おぼえ」とは、過去に付けた高値や安値を元に投資の判断をすると損失を出しやすいという投資の格言で、「高値おぼえ、安値おぼえは損のもと」とも言います。
「過去数年間の株価の推移を見ると、この企業の株価は700円~1,000円で推移しているから700円近辺になったら購入して、1,000円近くになったら売却をしてしまおう」と考えるのが、「高値おぼえ、安値おぼえ」です。
■過去の推移は当てにならない
このように、私たちは将来のことを予測する際に、ついつい「昔はそうだったからこれからもそうだろう」と考えてしまいがちです。
しかしながら、「創業から同じビジネスで利益を出してきた企業が、新規事業の開拓に乗り出した」というように投資環境が変化してしまった場合には過去の高値や安値はなんの参考にもなりません。
先ほどの例で言えば、新規事業がうまくいけば1,000円を超えて最高値を更新することは十分にあり得ますし、また逆に新規事業が大失敗に終われば700円よりも下回り、最安値を更新することも十分にあります。
過去の高値や安値は当てにならないことも多いため、それを目安に投資を行ってしまうと損失を出してしまうことになります。
■基本は株価変動の原因を探ること
このように過去の高値や安値から今後の高値や安値を予測することはできません。先述したように、企業を取り巻く状況は日々変化しており、それによって株価も大きな影響を受けるからです。
今後の株価の動向を推測するためには、やはり企業を取り巻く状況がどのように変化し、それが株価にどのような影響を与えるのかについて理解することが必要になります。
この作業は頭の使う大変な作業ではありますが、それを怠ると「高値おぼえ、安値おぼえは損のもと」となるので、注意が必要です。