■内出来(うちでき)とは
内出来とは、発注した株数のうち一部の株数のみが約定することを指します。例えば、10,000株の買い注文を出した時、6,000株しか約定することができなかった場合、6,000株を内出来といいます。そして、残りの4,000株については、次の売り注文が出てくるまでいわば順番待ち状態になります。
■なぜ内出来が生じるのか
この内出来は買い注文と売り注文のバランスが崩れた時に発生します。株の売買では、買い注文と売り注文をマッチングさせて取引を成立させています。そのため、買い注文が多かったにもかかわらず、売り注文が少なかったといった場合や、逆に売り注文が多かったにもかかわらず、買い注文が少なかったという場合、多かった方の注文の残りの部分は次の注文があるまで順番待ちすることになります。それによって、一部分だけが取引成立する内出来が生じることになります。
■内出来は中小型株と大きなサプライズが発覚した際に生じやすい
この株の需給ギャップが生じやすい場合は大きく分けて2つあります。
一つは中小型株です。中小型株ではその投資に参加する投資家が少ないため、一部の投資家の買い注文や売り注文に需給状況が大きく左右されることになります。そのため、ある投資家が何らかの理由で大量に中小型株に買い注文を出したタイミングとほぼ同時に自分も買い注文を出してしまうと、買い注文が売り注文を大幅に上回ることになり、自分の買い注文の一部が取引成立せず、内出来が生じる可能性があります。それに対して、大型の株では参加する投資家が多いため、一部の投資家の売買動向に需給が左右されにくいため、内出来は生じにくいです。
内出来が生じるもう一つのケースは、大きなサプライズが発覚した場合です。大きなサプライズが発覚した場合には、仮に大型株であっても、一方の注文が大きくなり、それゆえに内出来が生じることになります。別の言い方をすれば、ビックサプライズによって、株価が急騰していたり、株価が急落している場合には、取引が成立しにくくなり、一部の注文だけが少しずつ取引成立していくことになります。こうした状況では内出来が生じやすくなります。