「それ行け、初値に特攻だ!!」
何やら精悍な声が響き渡る、《IPO》の戦場へようこそ。
極大利益を追求するガツガツしたトレーダー歓迎、今日からあなたも初値特攻隊の一員です。
初値特攻隊は《IPO》の《セカンダリー》を狙ったアグレッシブな投資を行います。
活きのいい獲物を捕らえればテンバガーも夢ではありません。
しかし《IPO》は値動きが激しいため、場合によっては住まいが無くなるリスクを背負います。
覚悟は決まりましたか?
心臓の悪いトレーダーさんはくれぐれも入隊しないでくださいね。
【敵を知る】
《IPO》はやるかやられるかの生き残りをかけたサバイバルですので、最低限の知識を身に付けて挑みましょう。
早速新兵プログラム開始です。
(IPOってなんだ?)
既に疑問を感じた方がいるでしょう。
《IPO》とは”新規公開株”を指します。
特殊部隊の名称ではありません。
新規公開株は、それまで未上場だった企業が証券取引所に《新規上場》し、株式を公開することです。
上場して株式を公開すると、我々トレーダーはその銘柄で自由に売買できるようになります。
市場に新しい獲物が投入されるわけです。
初値特攻隊は獲物が《新規上場》して初めてついた株価、《初値》で買い向かいます。
獲物の大きさはウサギからマンモスまで千差万別ですが、小さい獲物ほど旨みが凝縮されています。
サイズの測定には《吸収金額》を用います。
《吸収金額》とは企業が市場から調達する資金のことです。
吸収金額=新規公開株数×株価
《吸収金額》は小さいほど旨みのある獲物であり、奪い合いになります。
5~10億円規模が狙い目です。
小型案件は公開株式数が少なく希少なため、《初値》は高騰しやすくなります。
反対に《吸収金額》が50億円を超えてくるような大物になると、食べても美味しくありません。
大型案件は公開株式数が多く、1株当たりの利益が希薄化するからです。
株式市場においてはマンモスよりウサギを狙えということです。
【戦闘準備】
新兵プログラムを終えたら戦場に出向くための武器を調達しましょう。
まずは獲物がどこにいるかコンパスを入手します。
どんな銘柄がいつ《新規上場》するのか確認するためです。
新規上場会社情報は日本取引所グループのサイトで閲覧できます。
上場する市場や《公募価額》が掲載されていますので、戦略をたてるうえで役立つこと間違いなし。
もう一つ用意しておきたいのが”現金”です。
取引規制である《即金規制》がかけられた場合、受け渡し日を待たずして売買当日に現金が徴収されます。
保有株を売却して得た資金で《IPO》を慌てて購入しようと思ってもダメなわけです。
するとせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
新規上場日までに事前の準備はしっかり済ませておきましょう。
【いざ出陣!】
《IPO》がどんな値動きをするのか戦場をご覧ください。
上図は2015年9月2日に東証マザーズへ《新規上場》した「(1433)べステラ」の日足チャートです。
《初値》は3,125円と《公募価額》を上回り、好スタートをきりました。
その後も株価は上昇していき、わずか7営業日で2.94倍になっています。
ものすごいパフォーマンスです。
上図は2015年10月15日に東証マザーズへ《新規上場》した「(6177)AppBank」の日足チャートです。
《初値》は1,750円と《公募価額》を上回り、べステラ同様好スタートをきりました。
その後も株価は上昇していき、わずか9営業日で2.98倍になっています。
2つの銘柄に共通している点は《初値》が《公募価額》を上回っていること、《吸収金額》が小さいことです。
あなただけの美味しいウサギを捕まえてください。