コツコツドカン

コツコツドカンとは「利小損大」を表した俗語です。

勝ったときの利益は小さく、負けたときの損失が大きいことを指します。

例1.コツコツ(+20,000円×8回)→ドカン(-100,000円×2回)

例1では8連勝して+160,000円稼ぎましたが、その後の2敗で-200,000円を食らってしまいました。

トータル-40,000円です。

8勝2敗で勝率は80%あるにも関わらず損益は”マイナス”となってしまいました。

実は勝率よりも損益比率の方が重要なのです。

参考となる指標に《破産確率》があります。

《破産確率》とは、トレードを繰り返した際に資金が底をつく確率です。

数学者のナウザー・バルサラ氏が考案しました。

コツコツドカン破産確率650×428

勝率=勝ちトレード数÷総トレード数×100

損益比率《ペイオフレシオ》=平均利益÷平均損失

《破産確率》は1%以下のトレードが理想とされます。

しかし1%以下は非常に難しいため、5%以下を目標とします。

先程登場した例1の《破産確率》を確認してみましょう。

例1.

勝ちトレード(+20,000円×8回)

負けトレード(-100,000円×2回)

8÷10×100=80

勝率80%

20,000÷100,000=0.2

損益比率0.2

破産確率表で勝率80%、損益比率0.2の箇所をみると72.2%で破産してしまうことがわかります。

今のトレードスタイルを続けていくと資金がなくなってしまう可能性”大”です。

改善するにはどうすればよいか?

1.勝率を上げる

勝率を80%から90%に引き上げることで《破産確率》を5.8%に抑えられます。

例2.

勝ちトレード(+20,000円×9回)

負けトレード(-100,000円×1回)

9×10×100=90

勝率90%

20,000÷100,000=0.2

損益比率0.2

勝ちトレード数が8回から9回に変わっています。

例2であれば損益+80,000円となり、《破産確率》は5.8%です。

しかし《破産確率》が目標の5%に届かないばかりか、売買を勝率90%の精度でこなすのは至難の業でしょう。

そこで別法を探っていきます。

2.損益比率を上げる

損益比率を0.2から0.4に引き上げることで《破産確率》を6.5%に抑えられます。

例3.

勝ちトレード(+40,000円×8回)

負けトレード(-100,000円×2回)

8×10×100=80

勝率80%

40,000÷100,000=0.4

損益比率0.4

1回当たりの利益が+20,000円から+40,000円に変わっています。

例3であれば損益+120,000円となり、《破産確率》は6.5%です。

また損失を減らすことでも損益比率は向上できます。

例4.

勝ちトレード(+20,000円×8回)

負けトレード(-50,000円×2回)

8×10×100=80

勝率80%

20,000÷50,000=0.4

損益比率0.4

1回当たりの損失が-100,000円から-50,000円に変わっています。

例4であれば損益+60,000円となり、《破産確率》は6.5%です。

では利益を増やして損失を減らしたらどうなるか?

例5.

勝ちトレード(+40,000円×8回)

負けトレード(-50,000円×2回)

8×10×100=80

勝率80%

40,000÷50,000=0.8

損益比率0.8

1回当たりの利益が+20,000円から+40,000円に、1回当たりの損失が-100,000円から-50,000円に変わっています。

損益比率が0.8と大幅に向上しました。

例5であれば損益+220,000円となり、《破産確率》は”0%”です。

例5のトレードスタイルを続ければ、理論上破産はありえないということになります。

ただし、利益を伸ばすと勝率の低下を招きます。

それでも勝率70%を維持できれば、《破産確率》は1.3%しかありません。

理想的なトレードスタイルです。

ちなみに勝ちトレードのコントロールはしづらいので、負けトレードのコントロールから行いましょう。

勝率を上げたり、利益を増やすことは並大抵なことではありませんが、損失は適切な損切りを行えば比較的容易です。

  1. 損失を減らして損益比率を向上させる
  2. 利益を増やして損益比率を向上させる
  3. 勝率を上げる

例6.

-100,000円の損失を-50,000円に抑える→損切りを早めに行うだけなので簡単。

例7.

+20,000円の利益を+40,000円に伸ばす→マイ転してしまうこともあるので少し難しい。

例8.

80%の勝率を90%に引き上げる→適切な仕掛けタイミングを掴んでも非常に難しい。

コツコツドカンで資産が減る一方だという方は、まず損失額を見直してみましょう。

破産への道を一歩一歩進んでしまっていることに気付くかもしれません。

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