株式投資をする中で、色々な情報を目にすることがあると思います。
ニュース、新聞、個人の発信…それらは役に立つこともありますが、場合によってはバイアスとなってしまいトレードの足を引っ張ってしまうこともあるかもしれません。
それだけに情報をどう受け取り、それをどうアウトプットして取引に活かしていくか…ということは重要になってきます。
■「愚人蝶々するときは沈黙せよ」とは
相場格言に「愚人蝶々するときは沈黙せよ」ということばがあります。
「蝶々する」とはしきりに喋る、という意味で、この格言は相場についてしきりに語り、知ったような口を聞いている人の発言はあまり信用せず沈黙せよ…ということを説いています。
よく喋る人ほど実は相場のことをよく知らないということもあり、聞こえがいいようなことを言っていたとしても、それを鵜呑みにして真に受けないようにしたいものです。
特にSNSなどを見てみると、いわゆる「買い煽り」ともとれるような個人の発言を目にすることもあります。
実力があるとされるトレーダーが特定の銘柄について言及することで、それを見た個人投資家たちがイナゴのように買いつくわけです。
そういった買いが大口の買いを呼び、相場を形成することも稀にありますが、その背景には「株価が上がる前に仕込んでいた人がいる」という事実があるわけで、それを忘れないようにしておきたいものです。
相場で勝ち続けている人たちは、必ずと言っていいほど自分の取引手法、相場に対する確固たる考え方を持っています。
他人の意見も参考にはしますが、あくまでも大事なのは自分の軸。相場には不確定要素が多く存在するものの、彼らは出来るだけそのノイズを排除してトレードに臨んでいるわけです。
株式についての情報を調べていると「○○が上がる!」と言ったようなものも目にしますが、そんなときにこそ「愚人蝶々するときは沈黙せよ」という格言を思い出して冷静になりたいですね。
■「賢者は聞き、愚者は語る」
「愚人蝶々するときは沈黙せよ」 と似た言葉には、「賢者は聞き、愚者は語る」というものもあります。
賢者は色々な情報やデータを調査したうえで、自分の軸に沿ってそれをうまく活かし利益につなげていく。
対して愚者は自分の考えを語り、他人の意見を聞かず、考え方を頑なに変えず「銘柄にほれ込んでしまう」というような状況に陥る…といったことがあります。
株式取引において「銘柄にほれ込む」というのは避けたいことで、その銘柄について詳しく調査するのはよいのですが、その会社に愛着がわいてきてしまうというようなことが起こり得ます。
そうなると株価が下がったとしても「この会社なら大丈夫」と考え損切りをせずに塩漬けとなってしまう…ということにもなりかねません。
株式取引で一番重要なのは利益を出し続けることなのです。調査も勿論大事なのですが、そこをはき違えてはいけません。
勝ちを積み上げていく賢者になるためには、いろんな意見を聞き入れたうえで、それをどうトレードに活かしていくか、という試行錯誤が必要となるでしょう。
■過去の法則性や著名トレーダーに学ぶ
では私たちはどういった情報を取り入れていけばよいのでしょうか?
あくまでも個人的な意見に過ぎませんが、過去の歴史のなかで経済界に起きたことを学ぶことや、バフェット、ピーター・リンチといった著名人の本を読むことは非常に役に立つと思います。
過去に起きたことをチャートなどから知り、また偉人投資家の考え方を学ぶことで、ある程度未来を考える力が身についてくるというわけです。
相場の世界では何が起こるか分かりません。まさに一寸先は闇ですし、起こり得るリスクに対していわゆる準備はしておかなければなりません。
多くの個人投資家は「起こったこと」に対してのみアクションをとっています。
値が大きく動いた、世界で株価の暴落が起きた…それに対して感情が揺れ動いてしまうわけです。
しかしそういったリスクをある程度、先にに許容できていれば、そこで冷静な判断が出来ることは間違いありません。
汚い言い方ですが、株の世界というのは、いかに他人を出し抜いていくかが重要であると言えます。
愚者になるか、賢者になるか。どちらになるかどうかは自分次第であると言え、ビジョンを持ち、適切な努力をしていく必要があるでしょう。