どか儲けすれば、どか損する

当たり前のことですが、株式投資では得をすることもあれば損をすることもあります。
自分の見立て通りにいくかどうかに関わらず、買い値から株価が上がれば利益は増えていく…というのは至極真っ当なことです。
しかし「勝ち方」「負け方」というのは重要であり、それを反省し、次のトレードに活かしていくことが取引の質を高めることにつながります。

■「どか儲けすれば、どか損する」とは

相場格言に「どか儲けすれば、どか損する」ということばがありますが、これは「大きく勝てていたとしても、身の丈に合ったトレードでなければ、その後大きく負ける可能性がある」という意味であると言えます。
「どか儲け」とは大きな儲けのことを指すわけですが、それには必ず背景・原因というのがあります。
運がよかった、相場環境がよかった、たまたま持ち続けてたら上がっていった…その理由は様々であると思いますが、それを明らかにせずに楽観的な気持ちで次のトレードに向かってしまうと大きな痛手を被ることも考えられます。
たとえばリスクを考えず自分の資金の大半を値動きの激しい銘柄に突っ込み、それが上がっていったことにより大きく儲けられた…というようなパターンでは、適切なリスク管理が行えていないことが明らかです。リスク管理を十分に行わずどか儲けをしたとしても、以後のトレードで同じやり方をしていればいつかどか損となってしまう可能性も高いと言えるでしょう。

この項の最初に「身の丈にあったトレード」と書きましたが、運用資金の上昇には適切なスピードが存在します。
損益のバランスや相場環境を十分に考慮したうえでどか儲けをしない代わりにどか損もしない、バランスのいいトレードを行っていくことが重要でしょう。

■慎重にリスクを考えてトレードをすることが大事

個人投資家、なかでもデイトレードをする人の中には「短期間で大きく儲けたい」と考えている方が多いのではないでしょうか。
対して中長期投資家は株価が上がってくるのをじっと待ちます。
デイトレードだと値上がりしている銘柄や値動きしている銘柄に気が移り、焦って次に次にとトレードをしてしまう方も初心者の方には多いでしょう。
相場格言に「急ぐは負け、待つは機あり」ということばがありますが、短期取引を行うにせよ、冷静なポジション取りをすることは重要です。

「どか儲けすれば、どか損する」という格言からは、大きく勝った後は必ず大きく負けてしまうのか…というような印象を受けますが、そういう意味ではありません。
自分の取引ルールに沿った適切なリスク管理をして勝てたか。またその後その勝ちを活かし、次のトレードに慎重に臨むことが出来ればどか儲けのあとにどか儲けが来ることもあるかもしれません。
多くの人は大勝してしまうとどうしても浮かれてしまうと思います。
しかし、「勝って兜の緒を締めよ」という言葉もある通り、一度その大きな勝ちは忘れて気持ち新たに次に向かっていくことが重要であると言えるでしょう。

■どか損から起こる負のスパイラルを避けるには

大きく儲けることが出来た…それは素晴らしいことだと思います。
しかし「どか儲けすれば、どか損する」の言葉どおり、その後大きな損を被ってしまった場合にはどうすればよいのでしょうか。

大勝した後に資産に大きなダメージをくらってしまうと、恐らく多くの方はかなりのショックを受けるでしょう。
「あんなに資金が増えたのに調子に乗ったせいでそれが帳消しになってしまった」というように。
そうなると感情にも大きな影響が出てきて、「一回あんなに勝てたんだから、自分なら取り戻せる」とムキになってトレードをしてしまい、その焦りが更なる損失拡大に繋がってしまう…というような負のスパイラルに陥ってしまう可能性も出てきます。

これがいわゆる「負の成功体験」というものでしょう。株式投資において一回の勝ち、一回の負けはそこまで重要ではありません。
正しい勝ち方が出来たか、また負けを次のトレードに活かし、トータルで勝ち越すことが出来るか、ということが大事なのです。
どか損してしまったら一度落ち着いてしばらくの間トレードから離れ、その負けの理由を自分なりに明確にしてみる。
そして冷静になった後に小さなポジションから再び取引を再開する…ということが必要になってくるでしょう。

人間勝っている間はあまり負けたときのことを考えません。しかしそれだからこそ、常に負けや損に対する思考を巡らせておくことが我々投資家には必要なのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする