株価は一辺倒に上がり続けるということは滅多になく、多くの場合上げ下げを繰り返し、波のような推移をします。
波の動きに規則性があるとする「エリオット波動」は、上昇相場では上げが5波、下げが3波に形成されると提唱しています。
上げ相場において、一度下がったところを拾う、それを「押し目買い」と言いますが、押し目買いの後株価が上昇していけば買いどころとしては非常にうまいと言えるでしょう。
そういった前置きをもとに、今回は押し目に関する相場格言について見ていきましょう。
■「押し目待ちに押し目なし」とは
相場格言のひとつに、「押し目待ちに押し目なし」というものがあります。
「押し目」というのは先ほど紹介したとおり、上げ相場における株価の調整局面のことを指します。
「押し目待ちに押し目なし」が意味するのは、強い上昇相場においては押し目と見られるような下げは来ない、ということです。
ただはじめに書いたようにどんな株式・指数でも必ずどこかで下げるわけです。
押し目というのは曖昧な言葉で、どれくらい下げたときが押し目なのか、という基準はないため、ややこの格言も抽象的だとも言えます。
上昇相場の下値で買おうと欲張りすぎるな、というのが「押し目待ちに押し目なし」の意味するものであるのかもしれません。
さて、下がった時に買おうとしていたのにぐんぐんと上がり続けていってしまった…というのがこの格言の意味ですが、だからと言って上がっているときに高値で買え、というのではありません。
押し目が来なかったら次を考え、この先どう株価が推移するか、上昇し過ぎていると見たなら空売りを考えるか…という風に投資プランを考え直すのがよいでしょう。
■押し目のメドに使われるフィボナッチ比率
ある程度大きな上昇が続いた後の株価の戻り目処を測るものとしては「フィボナッチ」が代表的なものとしてあります。
株価の上昇局面において安値と高値の値幅を100%とし、戻り目処として23.6%、38.2%、50%、61.8%.76.4%..などがフィボナッチ比率です。
これだけでは分かりにくいと思うので、実際のチャートを見てみましょう。
たとえば大きく上昇相場を築いている銘柄の日足チャートです。
出来高が増え始めた上昇初日の安値573円、その後高値の1908円をもとにフィボナッチ比率をもとにした押し目ラインを引いてみたものです。
高値1908円からの一つ目の押し目としては1592.9円がありますが、この上昇相場が続くようであればこのラインまで下がらずにまだまだ上がり続けるかもしれません。
そうなればまさに「押し目買いに押し目なし」を体現したようなチャートになるわけですね。
■「押し目」なのか「下落トレンドへの転換」なのか
押し目買いはある程度の水準まで株価が下がることを狙っているわけですが、その下げが押し目ではなく、下落トレンドの始まりである可能性もあります。
これについてはその銘柄の特徴やチャートを参考に自分なりに株価の動きを予測することが大事になってきます。
値動きのみに釣られてトレードをするのではなく、その銘柄の背景をしっかりと調査することが重要であると言えるでしょう。