株価操縦(株価操縦的行為)

個人投資家からプロのトレーダーまで、多様多種な人が参加するのが相場ですが、当然そこには公平性や透明性が求められます。

個人とプロの間に情報やツールの差はあれど、インサイダー取引をはじめとした株価操縦などの違法行為は決して認められません。

■株価操縦とは

株価操縦(株価操縦的行為)とは、その名の通り株価を不正に操ったり、利益を出そうとしたりする行為です。具体的には、一般公表前の重要事実をもとにインサイダー取引や、実際に売買しない注文を出す見せ玉などがその例として挙げられるでしょう。

ですが実際にはコンピューターによる株の取引、いわゆる「アルゴリズム取引」が近年盛んになってきており、相場を観察していると見せ玉・見せ板が横行しているというのが事実でもあります。注文を入れると、それより有利な条件で約定させるようなアルゴリズムを観測したことのある方は多いのではないでしょうか。

個人がこういった株価操縦を行うと罪を問われるケースが多いのですが、大手投資家や海外投資家のアルゴリズム注文に対しては規制が緩い印象も感じられ、この辺りは微妙なところではあります。

■株価操縦が行われた場合の他の投資家への影響は

実際に行われた株価操縦の有名なものとしては、ファンドや個人が見せ玉、買い上がり、終値関与などの株価操作によって得た利益を告発された、というケースが挙げられます。

また具体的な例として実際に株価操縦が行われた銘柄をチェックしてみると、特段大きな材料もないのに値上がりをしていることが目にとれます。同社の株価はおよそ5倍以上に急騰し、その間に関係者が安値で大量の株を買い付け、不正に株価を釣り上げた後に売り抜けを行っていたことが判明しました。

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※週足チャート

違法な株価操縦による株価への影響は、その銘柄に入ってきた資金の大小によると言えるでしょう。先に書いたように、ファンドや数名による資金流入が行われると当然株価もその分大きく上昇します。また値上がりをすればそれに釣られて売買を行う投資家も増えてくるでしょうから、出来高が増加してマネーゲーム的な乱高下が起きる可能性も考えられます。

株価操縦が行われた銘柄を我々のような個人投資家が売買した場合であっても、その不正に関わっていなければ当然罪を問われることはありません。が、そういった銘柄は上に挙げたチャートのように乱高下、かつ不規則な値動きをすることが多く、違和感を持ったなら触らない・観察にとどめておくことが大事だと言えるでしょう。

■株価操縦と仕手の関係

さきに挙げたような例を見て、「こういった株価操縦はよくあること」「いわゆる仕手筋がよくやっていることなのでは」と思われた方も多いのではないでしょうか。毎日の市場を見ていると、謎の急騰をする銘柄や、連続した買いが入ってくる買い上がり、大きな売りによる売り崩しなどが散見されることは多々あります。

このような事象はいわゆる「仕手株」によく見られます。仕手株とは、大幅な上昇を繰り返したのちに株価が全戻しとなるような下げを見せる銘柄のことですね。

先に書いたように、アルゴリズム取引の発達によりこういった行為が横行していることはもはや周知の事実なのですが、暗黙の了解となっているのが現実です。

株を取引しているのが一体誰なのか、それを知ることは我々にとっては非常に難しいということもあり、このあたりは非常に闇を感じるブラックボックスであると言うことが出来るでしょう。

■仕手株の値動きを上手く活かしたトレード

当然株価操縦で利益を得ることは犯罪なのですが、株価の値動きを捉え、利益を出すことは違法ではありません。(私たちはどうして株価の乱高下が起きているのか、という理由は知りえないためです。)

先に書いたように、いわゆる仕手株は投機資金が短期期間に大量に入ってきますから、その波に乗ってトレードを行うことで上手く利ざやをとることが可能となるでしょう。歩み値を見てまとまった買いや連続した大きな枚数の買い(アイスバーグ注文)が見られると、アルゴリズムが働いた強い買いであるケースが多いです。

アルゴリズムを使うのはプロのトレーダー、そういった主体たちは必ず利益を出さなければなりませんから、株価も彼らのような存在によって操作されていることがあります。

私たち個人投資家が儲けるためには自分でトレンドを作るのではなく、そのような大口についていくかたちでトレードを行っていく必要があるでしょう。

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