口座開設をする際の悩みの一つが口座区分です。
口座区分には、一般口座・特定口座(源泉徴収有り)・特定口座(源泉徴収無し)の三種類があります。
「一体、どの口座を選べば良いの?」
本ページではそのような疑問にお答えしていきます。
【一般口座と特定口座の違い】
口座ごとの大きな違いは、確定申告の”有無”です。
株式投資で得た利益を納税するため、毎年2~3月に確定申告を行います。
2016年6月現在では、年間利益の20.315%を納税することになっています。
例1.株式投資の年間利益が100万円だった。
1,000,000×0.20315=203,150
例1では約20万円を納税することになります。
特定口座(源泉徴収有り)を選択すれば、証券会社の方で確定申告をしてくれます。
手続きの手間は一切かかりません。
特定口座(源泉徴収無し)であれば、証券会社から送られてくる年間報告取引書を使って自ら確定申告をします。
申告は比較的簡単です。
また、一般口座は書類の作成から全て自分で行うことになります。
確定申告 | 損益通算 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
一般口座 | 確定申告を一から全て自分で行う | できる | 資金効率が良い | 確定申告の手間がかかる |
特定口座(源泉徴収無し) | 証券会社から送られてくる年間取引報告書を使って確定申告を行う | できる | 資金効率が良く、確定申告も簡単 | 確定申告の手間がかかる |
特定口座(源泉徴収有り) | 確定申告の必要無し | できない | 確定申告の手間が一切ない | 税金を払いすぎる恐れがある |
NISA口座 | 確定申告の必要無し | できない | 投資枠100万円の範囲なら、利益に対して課税されない | 短期投資にはむかない |
マトリクス表だけではわかりづらいという方にフローチャートを用意しました。
会社勤めの方でしたら、手間のかからない特定口座(源泉徴収有り)をおすすめします。
個人事業主であれば、確定申告の手続きに慣れている方も多いかと思いますので、特定口座(源泉徴収無し)をおすすめします。
*一般口座を選択してしまうと、総所得が上がったとみなされ、国民健康保険料が上がる可能性がありますので注意が必要です。一般口座をわざわざ選ぶメリットは特にありません。
また、NISA口座につきましてはどなたにもおすすめできません。
投資枠が少ないうえに、空いた枠は再投資できないため、小額で長期の運用しかできないからです。
再投資できなければ資金効率が悪く、万一損失を出しても他の口座と損益通算ができない点は、非常に不利といえるでしょう。
【資金効率について】
特定口座(源泉徴収無し)(または一般口座)と特定口座(源泉徴収有り)では資金効率が違います。
資金効率を重視したければ、特定口座(源泉徴収無し)を選ぶのも視野に入ります。
例2.特定口座(源泉徴収無し)(または一般口座)で10万円の利益を出した。
源泉徴収無しを選択している場合、利益10万円をまるまる次回の投資に使えます。
例3.特定口座(源泉徴収有り)で10万円の利益を出した。
100,000×0.20315=20,315
100,000-20,315=79,685
次回の投資に使える金額は79,685円です。
源泉徴収有りにしているとすぐさま税金を徴収されてしまうのがポイントです。
源泉徴収無しでは利益10万円がそのまま次回の投資に使えましたからその差は大きいでしょう。
【どの口座を選んでもいえること】
損失を出してしまったときです。
年間で損失を出してしまったときは、口座区分にかかわらず、確定申告を行うと節税対策になります。
これを繰越控除といいます。
手続きを行うと、翌年から3年間、損失分の利益に対して課税されなくなります。
例4.2016年度の損失が100万円
例4の場合、繰越控除を行うと、2017~2019年の間は100万円の利益をあげても納税する必要がなくなります。
【特定口座(源泉徴収有り)にもデメリットはあるのか?】
特定口座(源泉徴収有り)は確定申告が不要ですが、デメリットもあります。
それは、年間の利益が20万円以下だった場合です。
実は年間の利益が20万円以下の場合は納税する義務がないのです。
にもかかわらず、源泉徴収有りだと利益が生じる度に納税してしまいます。
小額での運用を考えている方は、特定口座(源泉徴収無し)を選ぶと良いでしょう。
口座区分についてもっと詳しく知りたいという方は、専用ページを参考にして頂ければ幸いです。
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