名人は相場の怖さを知る

マーケットというのは刻一刻と変化しており、その変化のなかでプレーヤーも大きく変わってきています。
ブラックマンデー、リーマンショック…株価が暴落することはこれまでにも何度もありましたが、その暴落を忘れたころに再び次の危機がやってくるのが相場というものです。
いつ何が起こるか分からない相場で長い間生き残っていくことは非常に難しく、それだけに長年勝ち抜いてきたトレーダーには学ぶものが多いと言えるでしょう。

■「名人は相場の怖さを知る」とは

「名人は相場の怖さを知る」という相場格言があります。
これは読んで字のごとく、非常に腕のたつトレーダーは相場の恐さを知っている、ということですね。
どんな投資家でも負けたことがない人はいないでしょう。勝ち残ってきた人が違うところは、その負けから何を学び、次にどう活かしてきたかです。
また、勝ってもおごらず、常に未来に起こり得るリスクを考えて行動していくのがそういった人たちの特徴であると言えるでしょう。

■「相場の怖さ」とは何なのか

それでは具体的に「相場の怖さ」とは何を言うのでしょうか?
これは最初に書いたリーマンショックのような世界的な金融危機による株価暴落もそうですが、個別銘柄の株価についても言えることでしょう。
株を始めたばかりのうちは、値上がり幅が大きく、値動きのある銘柄に気移りすることが多いかもしれません。
「短期間でこれだけ上がっているのか、上手く買えればチャンスなのでは」という考えで取引するわけですね。
しかしそういった銘柄は当然値下がりの幅も大きいケースが多々あるわけです。
値下がりのリスク、それが「相場の怖さ」のひとつであり、上手いトレーダーはそのリスクを十分に考慮したうえで適切なポジションサイズで売買を行うのです。
対して初心者は一攫千金を狙い、資金の多くを一発のトレードに賭けてしまう、ということがあります。
仮にビギナーズラックで勝てたとしても、適切なリスク管理が出来ていなければいつか大きな負けをくらってしまうことは間違いありません。

値動きの激しい銘柄の例(日足チャート)――個人投資家の中には「高値掴み」をして株を塩漬けにしてしまう人も多い

こういった相場の怖さというのは過去に起きたことを調査し、日々マーケットに参加していく中で身に着けるしかありません。
株式取引において一番やってはならないことは「資金を失って退場すること」であり、自分の大切なお金を運用していく以上、危機管理には十分な意識を払う必要があるでしょう。

■適切なリスク管理が大事

株式投資において、多くの著名トレーダーが重要視しているのが「リスク管理」です。
相場というのは一辺倒に上がり続ける、ということはなく、必ずどこかで下げが来ます。
そういった下げに対し自分がどうポジションを保有しているか、適切なリスク管理が出来ていて損失を限定できているか、ということが大事になってくるのです。

株式取引においては、新興市場の銘柄は一日での値動きが激しい、大型株は板が厚く値が動きづらい….といったように銘柄によって値動きの特徴が大きく異なります。
それぞれの銘柄の特徴を知ったうえで売買を行い、「下がるとしたらどれくらい下がるのか?」「どれくらいでロスカットするか?」などをあわせて考えていく必要があるでしょう。

相場には楽観的な局面もあれば、「名人は相場の怖さを知る」という言葉のとおり恐さがある――すなわち悲観的になる局面もあるわけです。
そういった相場を生き残り、経験を積みあげていくことこそが「名人」になり勝っていくために重要なことだと言えるのではないでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする