■黒三兵
黒三兵(三羽ガラス)とは、酒田五法の1つでローソク足の組み合わせです。
酒田五法とは…江戸時代の米相場師「本間宗久(ほんまそうきゅう)」によって考案されたテクニカル指標です。ローソク足の組み合わせで相場の心理を分析します。
陰線が3つ並んだ形となります。天井圏や下降トレンド中の戻りで出現すると反落を意味します。相場の心理は高値と安値が切り下がることにより弱気一色となります。
陽線または陰線の2つで構成されているローソク足でのチャート表示のパターンから買いサイン、売りサインを見つけるのが「酒田五法」という手法です。その中で最も代表的なものが「赤三兵」「黒三兵」です。
「三兵」とは陽線が3本、または陰線が3本連続して出現することを言い、前者が「赤三兵」、後者が「黒三兵」と呼ばれます。買いパターンであることの多い赤三兵に対し、陰線が3つ続く黒三兵は基本的に売りサインであるということが出来ます。
■黒三兵先詰まり
下ヒゲが出ている場合で、下降力が鈍っている証拠ですので、上昇する可能性もあります。
■黒三兵思案星
3本目の陰線が陰のコマである場合で、売りの勢いが若干衰え、相場転換と見ることができます。
これらの足型は下降相場の伸び悩みを意味し、トレンドの転換を意味することがあります。
■三手大陰線(三手大黒線)
似たような足型に三手大陰線(三手大黒線)があります。
三手大陰線とは…大陰線が3つ並んだ形です。
投資家の投げ売りが続いた際に生じる足型です。一見非常に弱気な相場ですが売り物が出尽くしたことによりトレンドが転換する可能性があります。
チャート上に表示されるローソク足から銘柄の雰囲気を読み取り、売買を行っていく手法を用いられている方は多いのでないでしょうか。今回の記事で紹介する「黒三兵」もその1つです。今回の記事では言葉の定義から実際のチャートまで、幅広く知識を身に着けていきましょう。
■地合いや相場の雰囲気を加味したトレードを
先に「ローソク足だけでなく、総合的な判断から取引をする必要がある」と述べたように、黒三兵が出て売りを入れたとしても、次にどう動けばいいか、というのが重要。
次の画像は日経平均の日足チャートですが、黒三兵が出たあとの動きに注目してみてください。
(2016年9月14日 日経平均日足チャート)
このように黒三兵が出たあとに底打ちとなっているパターンも多く、銘柄や商品によってそのクセは異なるので、売買するものがどういった性質なのか、過去どのような推移をしててきたのか、などを加味してトレードの判断を行っていく必要があるでしょう。