ROC 【あーる・おー・しー】【変化率】【Rate of Change】

ROCとは、現在の株価と数日前の株価の差(変化率)によって、相場の勢いや方向性などを見極めるオシレーター系のテクニカル分析の一つで、モメンタムの欠点を改良した指標です。

モメンタムは株価の高低によって値が大きく変わりますが、ROCは、株価の高低に影響されることなく使うことができます。

計算方法は簡単で、過去の株価から見た現在の株価の値上がりまたは値下がり率を計算するものです。

■計算方法

       (当日の終値-n日前終値)
ROC = ———————————————- × 100
           n日前終値

※nは一般的に10日や25日が使われることが多い
ROC

■ROCを使用したテクニカル分析

ROCは計算式がシンプルな指標なので、これだけで買いシグナルや売りシグナルを判別するというのではなく、現在のトレンドや強さ・方向を判断するために使用します。

•ROCがプラス(0より上)の時は、上昇トレンド
•ROCがマイナス(0より下)のときは、下降トレンド
•ROCが0に近づいてきたときは、上昇または下降トレンドの減退

ROCはトレンドの強さ・方向を判断するために使用することが適していますが、以下の点に着目して売買タイミングを判断することもできます。

•ROCの値が極端に高い → 手持ちの株を売る または 新規に空売りする
•ROCの値が極端に低い → 新規に株を買う または 空売りしている株の買戻し

■注意点

過去のROCがどのような範囲で動いてきたかに着目し、ROCが極端に高いまたは低い値になった場合に売買タイミングを判断します。しかし、ROCはオシレーター系指標であり逆行現象もあるため、大きな損失を被るリスクがあることを考慮に入れておく必要があります。

※逆行現象
株価の上昇または下落の勢いが弱ってくると、株価は上昇したり下落したりしているのに、オシレーター系指標はそれほど変化がないということがおきます。指標の勢いが弱いということは買いと売りが交錯しはじめていると考えられ、上昇トレンドで逆行現象があれば天井打ちのサイン、下降トレンドで逆行現象があれば、底打ちのサインと捉えることができます。

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