■バスケット取引とは
バスケット取引とは、複数の銘柄をひとまとめにして一括で売買を行う取引手法のことを指します。
一般的に、このバスケット取引では15銘柄以上で、かつ1億円以上の取引が対象となっており、証券会社に対してある程度の手数料を支払った上で、その証券会社を取引相手として売買が行われ、証券会社はバスケット取引によって購入、または売却した株を自らの自己売買部門によって執行することになります。
取引相手が株式市場を通じて探すものではないので、一般の市場が閉まっている場合にもバスケット取引を実行することができます。
■バスケット取引の影響
このバスケット取引は、数億円規模で株式の売りや買いが行われるため、しばしば株価にも大きな影響を与えることになります。
特に、バスケット取引では一般の市場が閉まっている時にも取引ができ、その後、証券会社が市場において売買を行うことになるため、株式市場が開いた直後に大きく株価を左右させる可能性が高いと言われています。
そのため、市場が開いた直後の株価の動きには注意が必要となります。
■バスケット取引による急激な株価変動に惑わされないこと
このようにバスケット取引が行われた場合、株価に大きな影響を与えることもありますが、その株価変動の大きさに動揺してはいけません。
一人の大口の投資家や、ある特定の機関投資家がバスケット取引を行ったことと、その企業の価値が下がった、もしくは上昇したことは全く別の話であるためです。
例えば、一人の大口の投資家がバスケット取引で数億円の株の売却を行ったのは、たまたまその個人投資家が不動産を購入するために現金が必要となっただけかもしれません。また、投資方針の変更で、リスクの高い株式からより安全性の高い国債などに資金を移すために、株式の売却を行っただけかもしれません。
このように、バスケット取引は複数の銘柄をひとまとめにして一括で購入、もしくは売却を行う取引であるため、一つ一つの銘柄への評価とは全く無関係に取引が行われ、それによって株価が変動するということが起こりえます。
もし、この例で出したような、銘柄への評価とは異なる理由で売買が行われた場合、株価が急騰、もしくは急落したとしても、すぐに本来の株価へと戻っていくことになります。
バスケット取引が行われ、株価が急騰、もしくは急落したとしても、その動きに惑わされて、株の売買を行うのではなく、しっかりと本当にこの動きには意味があるのかを考える事が必要です。