■「相場は相場に聞け」とは
「相場は相場に聞け」とは、人は未来を100%正確に予測することはできないので、投資を行う際には、自分の考え・予測に固執することなく、相場の動きにも注目し、より柔軟に売買をしていくことが重要だということを説く投資の格言です。
■将来予測が100%完全に当たることはない
例えば、ある企業にとって素晴らしいニュースが流れ、「これは企業の業績を飛躍的に向上させるぞ。買いだ!」と思ったとしても、そのポジティブな情報を事前に多くの人がつかんでおり、すでに株価に反映されてしまっている場合があります。
このような場合、そのニュースがどれほど素晴らしいものであったとしてももはや株価を向上させる力はあまりなく、株価にもほとんど影響を与えなくなってしまっています。それにもかかわらず、ニュースを見た直後の考えに固執し、その企業の株を買ってしまえば、高値でつかんでしまうということになりかねません。
しかしながら、しっかりと相場を観察すれば、「あれ、ポジティブなニュースが流れたのに全然株価が上がらないな。ひょっとしてもう反映されてる?」などといったん立ち止まって考えることができ、それによってより正しい投資の判断ができるはずです。
このように、投資では様々な要因が複雑に絡み合っているため、正確に未来を予測できないため、相場の流れを見ながら、適宜自分の考えを修正していくことが重要となるのです。
■「備えあれば迷いなし」と矛盾する?
このように将来の予測は必ずしも当たるわけではないので、相場の動向を見ながら柔軟に投資の判断を変更するという考えは、自分の考えに確固たる自信をもって投資を行えるよう事前に準備せよ、という「備えあれば迷いなし」と一見矛盾する考えだと思う人もいるかもしれません。
しかし、予測が100%当たるわけではなかったとしても、全く調べずに運任せにしてしまうよりは、しっかりと事前に準備をしてできる限り運の要素を減らしていくのとでは後者の方が投資のパフォーマンスは良くなりやすいでしょう。
また、相場の流れを読むにしても、しっかりと事前に情報を調べておけば、「情報がすでに株価に反映されているか」や「他の投資家がその情報をどう感じるのか」などを理解しやすくなり、相場の流れをより読みやすくなるのは間違いないでしょう。
そのため、事前に準備をしっかりとし、自分の判断に自信を持ちながらも、その時々の状況に合わせて微調整をしていく、というように両方を両立させていくことがより重要です。