自己資本比率

■自己資本比率

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自己資本比率とは、企業が調達した資本のうち、返済が不要な資本の割合のことを指します。

企業が資金調達を行う際、銀行からの借り入れや社債の発行など返済が必要な形、いわゆる負債で資金調達を行う方法と、投資家からの出資や企業自身が稼いだ利益といった返済が不要な資金で調達を行うという2つの方法があります。自己資本比率はこの後者で獲得した資本の比率を指すのです。

また、投資家からの出資や企業自身が稼いだ利益は株主のものであるとされているため、この自己資本比率は株主資本比率と呼ばれることもあります。

■自己資本比率は安全性の目安に

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この自己資本比率が高いということは、返済が必要な負債が少ないということを意味しています。そのため、企業が倒産するリスクが低く、経営の安全性が高いと言えます。

それに対して、自己資本比率が低い場合は、負債が多く、それゆえ業績が悪化した場合に、負債の返済や金利負担に耐えることができずに、倒産する可能性が高くなると言えます。

あくまでも目安ではありますが、一般的にはこの自己資本比率が40%以上なら倒産しにくいと言われています。

■自己資本比率の注意点

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自己資本比率が高いことは安全性が高いことを意味します。

しかしながら、投資の世界ではハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンと言われているように、安全な投資先であるということはその分リターンも少なくなりやすいことには注意が必要です。

実際に、投資家が最も重視する経営指標の一つであるROEは自己資本比率が低い企業の方が高くなりやすいという特徴があります。

例えば、投資家からすれば、10億円の利益を生み出すために自己資本(株主のお金)を500億円必要とした企業と、同じ10億円の利益を生み出すために自己資本を100億円必要とした企業とでは、後者に投資をした方が儲けは大きくなります。

このように、自己資本比率が高いということは経営の安全性を高めることになりますが、その分ROEが低下してしまい、株価も上昇しにくいというデメリットもあります。

つまり、自己資本比率が高いということは、企業経営にとってはよいかもしれませんが、投資家にとっては必ずしも良いとは限らないということは心にとどめて置いた方が良いでしょう。

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