口座の種類はどう選ぶ

口座を開設するとき、「一般口座と特定口座はどちらを選べばいいのか?」ということが気になっている方は多いのではないでしょうか。

そこで、ここでは口座の違いを見ていくとともに、「どの口座を選べばよいのか?」ということや「NISA口座とは何か?」ということをチェックしていきましょう。

■一般口座と特定口座の違いとは?

口座開設の申し込みを行う途中で、個人情報を入力する項目の他にあるのが「特定口座」という欄です。

(ここでは、SBI証券のインターネット申込ページを例に見ていきます。)

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上の画像にあるように、選択肢は次の3つです。

「開設する(源泉徴収あり)」
「開設する(源泉徴収なし)」
「開設しない」

それぞれの選択肢を説明する前に、「特定口座」と「一般口座」の違いを簡単にまとめてみました。

特定口座

株式投資で利益を得た場合、所得税を支払わなければなりません。

このとき「年間取引報告書」を作成し、確定申告を行う必要がありますが、このプロセスを証券会社が代理して行ってくれるのが特定口座です。

「源泉徴収あり」の場合は、証券会社が年間取引報告書の作成から確定申告の代理まで行います。

一方、「源泉徴収なし」の場合は年間取引報告書の作成までを代理してくれることになります。

給与を1か所から受けている方で、株取引等で譲渡益が20万円を超えた場合は確定申告を行う必要がありますが、これを代わりに行ってくれるのが「特定口座(源泉徴収あり)」というわけです。

逆に言えば、20万円以下の利益であった場合や資金がマイナスになってしまった場合は税金を支払わなくてよいため、必ずしも確定申告を行う必要はないわけですが、特に理由が無い限りは特定口座(源泉徴収あり)を選ぶのが最もポピュラーです。

年間取引報告書がどういったものなのかは各証券会社のページで確認できますが、これを作るのが面倒という方は、迷わず「特定口座(源泉徴収あり)」という選択肢を選ぶのがよいでしょう。

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出典:確定申告サポート(株式/投資信託) 特定口座のお取引(国内株式、投資信託)

一般口座

一般口座は上記でも見たように、年間取引報告書を自ら作成する必要のある口座です。

また利益が出た場合は自らで損益額の計算を行い、確定申告を行う必要があります。
(SBI証券の場合は、特定口座を開設しないを選ぶことになります)

以上から「開設する(源泉徴収あり)」「開設する(源泉徴収なし)」「開設しない」の3つの違いを簡単にまとめると

・「開設する(源泉徴収あり)」
証券会社が年間取引報告書の作成を代わりに行ってくれる。
証券会社が源泉徴収の計算を行ってくれるため、確定申告の必要がない。

・「開設する(源泉徴収なし)」
証券会社が年間取引報告書の作成を代わりに行ってくれる。

・「開設しない」(=一般口座のみ)
年間取引報告書を自分で作成し、確定申告を行う必要がある。

となります。

SBIの口座開設ページにもある通り、初心者の方や確定申告が面倒と言う方は特定口座を開設し、源泉徴収ありを選ぶのがよいでしょう。

■特定口座開設(源泉徴収なし)を選ぶメリット

多くの証券会社で最も選ばれているのが「特定口座を開設し、源泉徴収あり」にするパターンですが、「特定口座を開設し、源泉徴収なし」を選ぶメリットもあります。

「源泉徴収なし」を選ぶメリットとしては、「確定申告を行う必要がない場合」に無駄な税金を払う必要がない点です。

例として、給与を貰っている方で株取引の年間の譲渡益が20万円以下である場合には、確定申告を行う必要がありません。

このとき「源泉徴収あり」を選んでいると、譲渡益が20万円以下である場合にも税金が自動で計算されてしまいますが、「源泉徴収なし」を選んだ場合はその課税が行われないため、節税が可能です。

したがって、小額投資を行う方や、年間利益が20万円以下になりそうだという方は、「源泉徴収なし」を選ぶという選択肢も考えられるでしょう。

■一般口座を選ぶメリット

一般口座を使って取引を行う場合、先に書いたように自分で色々な手続きを行う必要があります。

一見面倒なようにも思えますが、一般口座を使うメリットも存在します。

一般口座も「特定口座開設(源泉徴収なし)」の場合と同様、譲渡益が20万円を超えていない場合は確定申告を行う必要がありません。

また個人事業主の方が「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでしまうと、事業は赤字だけれども、株取引は黒字(譲渡益あり)の場合、税金還付が行われないという欠点があります。

加えて、個人事業主の方は一般口座を使い、法人として確定申告の計算を行うことで、トレードに関する費用を経費として計上して節税をすることが可能です。確定申告を自分で行うことに慣れているという方は、一般口座を選ぶのもありと言えるでしょう。

■NISA口座とは

一般口座・SBIの申し込みページを見てみると、特定口座の欄の下に「NISA(ニーサ):小額投資非課税制度口座」という項目が見受けられます。

NISA口座は特定口座や一般口座とはどういった違いを持つのでしょうか?

NISA口座の特徴 ~特定口座とは別に開設を行っておくのがオススメ~

NISA口座とは2014年1月から始まった口座制度で、年間120万円(2016年までは年間100万円)までの利益が非課税となる口座です。

上で見た特定口座や一般口座では確定申告を行って所得税を支払う場合が多かったですが、NISA口座では毎年120万円までの譲渡益が課税されません。

上記の点と合わせて、NISA口座の代表的な特徴を列挙してみると、

・年間120万円までの投資益が最長5年間の間非課税となる
(ロールオーバーという手法をとることにより最長10年間繰り越しも可能)

・特定口座とは別に運用を行うことが出来る

・年間取引報告書の作成や、確定申告を行う必要がない

といった点が挙げられます。

2023年までの間、NISA口座は開設出来ます。

毎年の取引枠が120万円と決まっているため、短期売買に使うよりも長期投資の目線を持って使われているのがNISA口座です。

自分の取引の方針によって特定口座とNISA口座のどちらで投資を行うか、というのは異なりますが、まずは両方とも口座を開設しておき、場合に応じて使い分けていくのがよいでしょう。

■結局どの口座を選ぶのがよいのか?

サラリーマンの兼業投資家の場合、「特定口座(源泉徴収あり)」と「NISA口座」の2つを申込するケースが多いようです。
(特定口座は後から源泉徴収あり・なしの選択を変更することも可能です。)

一方、事業者の場合、経費精算を行える一般口座を開設するのもいいでしょう。

自らの投資スタイルに合わせて、どんな口座を選ぶのがよいのかじっくり検討してみましょう。

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